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【第5話・保温⑤】
莉乃がシャワーと体温で『卵』を温めて五分ほど経ったときだった。
「姉ちゃん、帰っているの?」
バスルームの扉の向こう側、廊下から英人の声が聞こえた。
慌ててバスタブから出て、バスタオルで身体も拭かず濡れたままでドアを開いた。
「英人!私この子のことを冷やしちゃったの!」
「ちょっと、なんて格好しているんだよ!ここプールじゃないんだから」
下着の上下だけで全身ずぶ濡れの私を見て英人は鞄で視界を隠した。
◆◇◆
莉乃は事の顛末を話した。
英人はいつものようにパソコンの画面に向かいながら話す。
「それで、どれくらい冷やしちゃったの?」
「二十分くらい。常温だったけ*************************
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