テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
鈴木 side
借りた傘を返そうと学校へ行くついでに桑島砂鉄の家に行く。
実は近所で、よくはちあわせているが喋ったこともない。
少し緊張気味だが桑島家のインターホンを鳴らした。
少し待っていると、低い声で「はい…」とインターホン越しから聞こえる。
桑島砂鉄の声だ。
玄関のドアを桑島砂鉄が開けると、一言目は「誰だ」だった。
鈴木「っえ…、?! 前、傘貸してくれたじゃないですかっ、!!」
砂鉄「ぁ~、貸したなぁ…」
鈴木「なんでっ、それ返しにきました…!」
傘を差し出すと、桑島砂鉄は雑に受け取って、すぐに玄関のドアをドンッと閉めた。 なんか感じ悪。
だけど、僕はあんなことになるなんて思いもしなかったんだ。
桑島砂鉄とは、クラスが違う。
僕は1年3組。桑島砂鉄は3年2組。ちなみに桐山貴之も3年2組。
そう、年上なのだ。
なのに桑島砂鉄は1年の廊下を歩いている。
僕は用があり、少し離れて桑島砂鉄の後ろを歩く。歩いていると、桑島砂鉄が何かを落とした。
桑島砂鉄は両手いっぱいに何かの資料?
先生にでも渡しに行くのかな、と思っていた矢先、その資料が廊下に散らばった。
桑島砂鉄ははぁ、とため息をつき資料を1枚、2枚と拾い始めた。
流石に見て見ぬふりは良くないと思い、僕も資料を仕方なく1枚、2枚と拾い始めた。
全てを拾ったら、桑島砂鉄は「さんきゅー」と軽く感謝をして歩いていった。
噂だが、こんな冷たい桑島砂鉄でも、結構モテているらしい。
女子も見る目がないなぁ…
そんなことを思いながら廊下に立ち尽くしていると、チャイムが鳴った。
僕は用があったのに桑島砂鉄の事を気にかけていたら行けなかった。
僕は最悪、と思いながらも教室に戻った。
あんなヤツ、あんなヤツ好きになるわけない。
たとえ、地球上の男が1人だとしても…好きになるわけないし…
次回、♡1000
コメント
2件
なんかこの時点で尊い