ご覧いただきありがとうございます
初めてキスをする彰冬彰です。ずっと冬弥視点です。
プロセカの彰冬彰です。私は右左気にせず書いているつもりですが、もしかしたら、彰冬、冬彰に見えるところもあるかもしれません。
また、誤字脱字、キャラ崩壊、等あるかもしれないのでお気をつけください。
読んでからの苦情は受け付けておりませんが、何かルールに反することをしていましたらお申し付けください。まだテラー初心者なので分からないことが沢山ございます。ご了承ください。
ではどうぞ
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「…なぁ、キス、しねぇ?」
金曜日の放課後は静かだ。誰もが、早く1週間の疲れを家で癒そうと、素早く移動している(部活などが休みの生徒や帰宅部に限るが)ように見える、気がする。いつもは賑わっている1‐Cは、驚くほど静かだった。どうやら帰りのホームルームが早く終わったらしい。室内を見渡すと、見慣れたオレンジのふわふわ頭が見える。
つまらなそうに突っ伏している相棒の傍に近寄る。彰人はどこか目線が斜め上を向いていて、俺が来たのに気づいていない様だった。俺が「彰人、」と声をかけると、やっと頭を上げ、___冒頭のセリフに至る。
「、、、キス、か?」
きっと、今の俺は茹でダコみたいに真っ赤になっているのだろう。彰人はそんな俺を見て、
「そんな顔すんな、」
と俺と同じくらい真っ赤になってしまった。
驚いた。驚いたが、何も変なことではない。実際問題、俺と彰人は付き合っているし、手を繋いだり、ハグをしたりしたことは何回もある。キスもいずれかはするのだろうか、と思ったのは1回だけでは無い。
「…やっぱ今のナシで。変なこと言って悪かった」
「…いや、しよう。彰人とならしてみたい」
自分ごと座っている椅子を下げた彰人に、大股で近づく。薄いピンクの唇がすぐそばに来た。せっかく、恋人が出してくれた欲を見逃したくはない。
「してみたいってお前…だってお前ハジメテだろ」
「そうだが」
「初キスを男に捧げたとか、将来絶対笑われるぞ」
そうだろうか。どちらにせよ、将来はずっと彰人といるつもりだから、笑われたって平気だ。それに、初めては彰人じゃないと嫌だ。
「そんなの関係ない。俺は彰人とキスがしたい、彰人は嫌か?」
「嫌、じゃない」
「それなら、キスしたい。俺はそのような行為がよく分からないから、よかったら彰人が教えてくれないか?」
膝立ちになって、彰人を下から覗き込む。指先まで真っ赤になった手をそっと掴んで必死な顔で言うと、彰人は観念したのか、はぁ、と深いため息をついた。
「オレも初めてだけど、冬弥がいいなら教えてやる」
そう言って、椅子に座ったまま俺の頬に手を添える。瞳の奥の方がドロっと溶けたような表情に、感じたことの無い感情が湧いた。
「そういえば、初めてのキスはレモン味らしいな」
前に読んだ小説にそう書いてあった、と付け加えると、彰人は今そんなこと言うか?、と吹き出していた。
「ただの比喩表現だろ」
彰人はそう言うが、彰人とのキスは本当にそんな味がしそうだった。いつも、爽やかで格好良い彰人にはレモン味というのが人一倍似合っている気がする。
「ほら、続きするぞ。本当にレモン味か確かめようぜ」
「ああ、そうだな」
彰人の手に少し力が加わり、顔と顔の距離が近づく。近くで見た彰人の顔はやっぱり格好良くて、のんびりしたタレ目とか、少し厚い唇とか、顔の造形が一つ一つ細かく見えて、ああ、俺は本当に彰人に惚れているんだな、ということを再認識した。
「目、閉じろよ」
耳元でそう呟かれて、そっと目を閉じる。俺の青と彰人のオレンジが絡まって、肌と肌が触れ合う感覚がした。気づいた時にはもう唇が重なっていて、ちゅ、と可愛いリップ音がする。
ああ、なんて甘いのだろう。
レモン味とは程遠い、蕩けていて甘い味。でも、嫌では無い。ふとした時に、彰人の吐息が感じられて心地がよい。ただ、キスをしているだけなのに、病みつきになりそうだった。
しばらく経って、彰人が唇を離した。気付かぬうちに腰が地面に付いていて、彰人も椅子から降りている。彰人の余裕の無さそうな表現に、心臓がキュッと高鳴った気がした。そうか、これが背徳感と言うやつだな。
「…で、レモン味はしたのかよ」
「……レモン味はしなかったが、彰人があまりにも甘すぎて、酔ってしまいそうだった」
もっと彰人の体温を感じていたくて、ゆっくりと彰人に抱きつく。暖かい、というよりはその体は熱くて、警告音のように鼓動の音が鳴り響いている。
暖かい胸に頭を擦り寄せていると、上から「…可愛い」と聞こえた。真っ赤になった肌に、今度は俺が手を添えて。蕩けたオリーブ色に向かって、顔を近づけた。
「彰人も可愛い」
次は俺が彰人にそっと、口付けを落とした。
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