【りうら目線】
その電話から2ヶ月。
僕は退院できた。
依然として初兎の意識はなくて
でも
生きている
僕も、初兎も。
僕は退院できたから
初兎が入院している病院にて
「すいません・・。 ◯◯初兎の弟ですが・・。面会できますか?」
「はい、可能です。 ですが・・初兎さんは免疫力が大変低下していて、ウイルスなどの病気に罹患しやすいため、防護服を着て頂く形となってしまいますが・・。大丈夫でしょうか?」
「問題ないです。」
靴の汚れを落としたり、全身を覆う服を上から着て、やっと初兎に会う準備が出来た。
初兎の病室は個室らしい。
ドアを開けると
消毒液と甘い花の香りがした
定期的な医療器具の電子音
初兎に酸素を送る音
医療ドラマとかでしか見ない聞かない異質な音が、部屋を満たす
真っ白なベッド。
真っ白な掛け布団から覗く初兎の顔。
ずっと前から変わらない顔。
でも初兎からは返事はなくて
分かっているのに 涙が溢れて零れて
目の前が淡く滲んだ
それは小さい頃に見た川の中と同じ景色だった
僕が溺れて川に沈むときに見た あの世界と同じ色をしてた
部屋は初兎を生かす医療機器の音と、僕の嗚咽が満たしていた
そういえば・・・。
溺れた僕を救ってくれたのは
nunu.
コメント
2件
ありがとうございますー!
神すぎて泣いた好き。