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カタチは不明瞭。

4 - 第4話【りうら目線】

♥

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2022年03月27日

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【りうら目線】


その電話から2ヶ月。


僕は退院できた。





依然として初兎の意識はなくて


でも


生きている


僕も、初兎も。



僕は退院できたから


初兎に会いに行こう




初兎が入院している病院にて



「すいません・・。 ◯◯初兎の弟ですが・・。面会できますか?」


「はい、可能です。 ですが・・初兎さんは免疫力が大変低下していて、ウイルスなどの病気に罹患しやすいため、防護服を着て頂く形となってしまいますが・・。大丈夫でしょうか?」


「問題ないです。」



靴の汚れを落としたり、全身を覆う服を上から着て、やっと初兎に会う準備が出来た。


(初兎・・。待ってて・・。)






初兎の病室は個室らしい。


ドアを開けると


消毒液と甘い花の香りがした


定期的な医療器具の電子音


初兎に酸素を送る音


医療ドラマとかでしか見ない聞かない異質な音が、部屋を満たす


「初兎!!!!!」


真っ白なベッド。


真っ白な掛け布団から覗く初兎の顔。


ずっと前から変わらない顔。


世界で一人の、僕だけのお兄ちゃんの顔。


でも初兎からは返事はなくて


分かっているのに 涙が溢れて零れて


目の前が淡く滲んだ



それは小さい頃に見た川の中と同じ景色だった


僕が溺れて川に沈むときに見た あの世界と同じ色をしてた


部屋は初兎を生かす医療機器の音と、僕の嗚咽が満たしていた



そういえば・・・。


溺れた僕を救ってくれたのは


初兎だったね





nunu.

カタチは不明瞭。

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コメント

2

ユーザー

ありがとうございますー!

ユーザー

神すぎて泣いた好き。

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