【初兎目線】
遠くで
懐かしい声が聞こえる
「初兎!!!」
もう自分は何なのかが全く分からない
その儘
ずっとずっと
視界も音も
ぼんやりとしていて 遮られていて
それはまるで
水の中、例えるなら川の中みたいな・・・。
そうだ
俺は・・・・・。
(目を醒ます)
【りうら目線】
久しぶりに見えた兄の顔は。
前と同じ様にあったけど。
初兎の目は閉じられたまま。
「・・あいっ・・かわらずお前・・・・。睫毛長ぇな・・・・・。なぁ・・・?初兎」
でも違うのは
初兎の体には大量の医療器具と癒えぬ事の無い暴力による傷、そして体に赤黒い筋として残った手術の跡。
傷ついて傷ついて、それでも必死に生きてくれた俺の誇れる兄ちゃん。
感情が溢れてやまなくて、初兎の体を抱きしめたその時。
奇跡が起きた。
nunu.







