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茉白が屋敷に馴染んできた頃、グロバナー家からの依頼が入り遠方の街まで出かけて調査をしなくてはいけなくなった。
「主様、始めてのお出かけで不安かと思いますが、私どもが必ずお守りいたしますのでご安心くださいね」
ベリアンは馬車の中で緊張で硬くなっている茉白の手を握りながらそう励ましていた。
「これは…なかなか骨が折れますね」
「一旦バラけて聞き込みとかしたほうが良いかもな」
「…では、私はミヤジ先生とフルーレ一緒に行きたいです」
「遠足じゃないんだから…でも、そうだね、階ごとに分かれた方が連携も取りやすそうだ」
ミヤジの提案で階ごとに分かれて聞き込みをすることになった。
茉白は1階の執事たちについていくことになり、大事そうに本を抱え直してベリアンと並んで歩く。
もしかしたら調査対象について知っているかもしれない、と紹介された人物を訪ねて裏通りに入っていくと前後から男たちに囲まれた。
『!?』
ベリアンがすぐに茉白を壁に押し付けて守る体勢に入る。
バスティンとロノが前後に立って武器を構え、男たちを警戒する。
「悪魔執事だな?」
「騙されやすくて助かった!」
「お前ら、天使狩りを放置して観光する余裕があるならさっさと天使を消せ!」
「…いけませんね、血の気が多すぎます…」
ベリアンは狭い裏路地では槍を振り回すことが出来ず、バスティンの大剣も思うようには振るえないことは目に見えていた。
唯一小型の武器で喧嘩も強いロノが頼みの綱だが、如何せん数が多い。
バスティンは剣を刺すように振るっていたが横から回り込まれて剣を奪われリンチされている。
ロノはなんとか男たちを殺さずに気絶させているが、気絶させた男たちはゾンビのように起き上がって延々殴りかかってくるので切りが無い。
バスティンが気絶したあとはベリアンと茉白に敵意が向いた。
男たちは満足に槍を振るえないベリアンからあっさりと茉白を引き離して連れ去った。
必死に手を伸ばし、主様!と叫ぶ声ベリアンだったが男たちに殴られ蹴られて茉白を助けることはできなかった。
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天樹
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