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昼下がり。
大学のカフェテリア。
ジョセフとシーザーは、並んで座ってる。
課題を広げて、真剣に話している…ように見える。
でも、なぜか周囲からの視線が熱い。
「え、あれ付き合ってるんじゃ…?」
「いや、きっとそうよ。」
「手が近いし…顔も近いわ。」
ジョセフは、ふと気づく。
「……ん?」
視線を感じ、顔を上げる。
シーザーも同時に気づき、眉をひそめる。
「…視線が多いな。」
「お、シーザーちゃんも感じたか!」
「当たり前だろ」
ジョセフが隣の席の人に小声で聞く。
「お前ら、さっきから俺達のこと見て何してんだ?」
シーザーが低い声で小さく言う。
「…勘違いされている」
「は!?いやいや、違うぜお前ら!俺とこいつは友達…いや、課題パートナーだ!!」
それでも、カフェ内の噂は止まらない。
「でも、あの肩の距離…」
「しかも笑い方が他の人とつるんでる時より明るいわよ、ジョジョ!」
ジョセフが、少し耳を赤くし、慌ててシーザーに耳打ちする。
「ちょっと!どうする!!」
「黙れ、放っておけ。」
そういいながらも、シーザーは内心悪くないな、と思っていた。
だって、ふたりだけの世界線では、手を触れなくとも、視線だけでわかる距離感がある。
それがシーザーにとって何より、嬉しいものだった。
ジョセフがふざけて、シーザーの肩を肘で小突く。
「おい、勘違いされてんだぞ!俺たち!」
シーザーは軽く眉をひそめて、でも少し微笑む。
「……いいじゃあないか、少しくらい」
ジョセフは、目を見開く。
「え、何がいいんだよ? 」
「楽しんでるのは、君たちだけで充分だ」
ジョセフは吹き出してしまう。
「シーザー、お前!さすがにカッコつけすぎだぞ!!」
そしてふたりはまた、課題に戻るふりをしながらも、微妙な距離で笑い合う。
周囲は噂し続けるが、ふたりには関係ない。
これがこのふたりの距離感なのだ。