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「す、好きになっちゃった……とかじゃなくて!」
「好きじゃなかったら、そんなにおどおどしないでしょ?」
アミから即座に切り返されて、ふるふると無言で首を横に振る。
確かに好きかもしれないと感じたことはあったけれど、まだ自分でもはっきりとした気持ちまでは答えられないところがあった……。
「……うん、気になったのは本当だけれど、でもそれで今すぐ付き合いたいとか、そういうのじゃなくて……。なんとなく気になってきたかな? っていうような、そんな感じで……」
自分でもまだよくわからない気持ちを、もごもごとあやふやなまま二人に話した。
「なら、それとなくチーフの好きな人とか、探ってみる?」
アミの提案に、もう一度ふるふると首を振って応えた。
「ううん、いいよ。さっきも言ったように、付き合いたいってほどでもないのが、本音だから」
ビールの一口をごくっと飲み下して、笑顔を作って見せた──。
実際、気持ちがはっきりとしないっていうのも本心だったけれど、それ以上に、もしチーフ本人の口から、アミかエミのことが気になっているということを告白されでもしたら、今はまだ曖昧な気持ちしかなくたって、やっぱりちょっと傷ついてしまいそうだったから……。