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矢代チーフを意識し始めてから、逆に距離を置いて関わるようなことしか出来なくなっていた。
同じものが好きっていう、いいアプローチのきっかけもあるのに、どうしても普段から感じている(私なんか可愛くなくて)というコンプレックスが足を引っ張って、前に踏み出せずにいた。
チーフともう少し近しくなれたら、自分の本当の気持ちもちゃんと確かめられるかもしれないのに……。
いつまでも悶々と思い悩んでばかりで、一向に出口が見つからないグズグズとした感情に揺さぶられる。
バカみたい……。いくら同じキャラが好きだからって、ただそれだけのことで、矢代チーフのように素敵な人が、私のことなんて好きになるはずもないのに……。
ベッドの上で天井を見つめ、こんな時、もっと自分が可愛らしかったらと思う……。
『おまえさぁ、もっと可愛くいられないのかよ?』
──元彼に、別れ際に言われた言葉がふと頭をかすめる。
そうよ、どうしてもっと可愛くいられなくて……。もう少しだけ背が低くて、ピンクとかの可愛らしい服とか似合って、髪だってふわふわで……そうしたら……。
仕事の邪魔にならないようにと、ショートカットにばかりしている髪を片手でギュッと掴み取って、やっぱり私ってバカみたいだと思うと、独り寝のベッドの中で無意識の涙が目尻に滲んだ……。