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現役学生小説家の相川愛美が自分の後見人だった〝あしながおじさん〟こと辺唐院純也さんと将来を誓い合ってから、約三年の時が流れた。
「――愛美ちゃん、大学卒業おめでとう。君を迎えに来たよ」
羽織袴姿で卒業証書のカバーを抱えた愛美は、横浜にある茗倫女子大学の〈芽生寮〉の玄関前で、礼服のスーツ姿の純也さんに呼び止められた。彼は大きな花束を抱えている。
「はいっ!」
愛美は彼から花束を受け取り、満面の笑みで答えた。一緒にいる親友の牧村さやかと辺唐院珠莉が、途端に祝福の声を上げる。珠莉は純也の姪でもあるのだ。
「おめでとう、愛美、純也さん!」
「おめでとうございます、愛美さん、叔父さま! お幸せに!」
「ありがとう、さやかちゃん、珠莉ちゃん」
愛美が大学を卒業したら、二人は結婚すると決めていた。その時は純也さんが愛美を迎えに来ると約束してくれたのだ。
辺唐院家は大財閥の一族で、格式高いといえば聞こえはいいけれど、プライドが高すぎて身分で相手を平気でマウンティングするようなとんでもない一族だった。……ただ二人、ここにいる純也さんと珠莉を除いて。
愛美はこんな家に嫁がなければならないのかと、純也さんとの結婚に弱腰だった時期があった。
二歳の頃に航空機事故で両親を亡くし、親族にも恵まれなかったために、中学卒業までは山梨県にある〈わかば園〉という児童養護施設で育ってきた愛美には、家族というものがいなかった。そんな自分が、こんなに高貴な家柄の一員になっていいのかという負い目もあった。
でも、本当に結婚をためらった本当の理由は別にあり、それはこの家の人たちの冷たさだった。
わが子を産むだけ産んで、子育ては使用人に任せっきりだった珠莉の母や祖母のような母親にはなりたくないと愛美は思った。
わたしが理想とするのは、いつも家族が仲良くて、笑いや明るさの絶えないさやかの家のような家族――。そう思っていたのだ。
でも〝あしながおじさん〟として、愛美が温かい家庭に憧れていたことを知っていた純也さんは、彼女のために大嫌いだった自分の家族と戦うことを決意してくれた。「あんたたちと縁を切ってでも、俺は彼女を幸せにする」と愛美の目の前で家族に啖呵を切ってくれたのだ。
――それから三ヶ月。今日はそんな二人にとって、待ち焦がれた日だった。
この日、愛美と純也さんは結婚式を挙げる。純也さんの住む、この東京で。
#純愛
からむーちょ😝💥💚
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#感動
猫ハチぷりん🐈🍮
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からくり時計
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コメント
1件
わああ〜!!😭💕 ついにこの日が来たんだね!! 「迎えに来たよ」っていう純也さんの台詞、もうそれだけで胸キュンすぎる…! 施設で育った愛美ちゃんが、こんなに素敵な卒業式を迎えて、しかも結婚できるなんて、ホントに長い道のりだったもんね…。 純也さんが家族と戦ってまで愛美ちゃんを選んでくれた過去を思い出すと、今の幸せが沁みるよ…!!✨ おめでとうございますって言いたくなる最終話目前!って感じで、次が気になる〜🌸