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数分後。

マンションを出て、准は自分の愛車を発進させた。


…………。


結局涼を置いてきてしまったが、本当に良かったのか。今頃、また言いようのない不安に支配される。

それでも気持ちを落ち着かせ、ただ会社を目指す。

ようやく到着して停車させると、ちょうど創が入口から出てきた所だった。涼がいるから、家に戻る前に話をつけなきゃならない。

霧山との婚約について話す、良い機会だ。恐らく創の方も、もう俺が何を思ってるのか勘づいているはず。


「創」


窓を開けて声を掛けると彼はこっちに気付いて、助手席に乗り込んだ。


「お疲れさま」

「お疲れ。悪いな、疲れてんのに往復させちゃって」

「いいんだよ、俺もお前に……二人になれるところで話がしたかったから」


低く返してから、Uターンして車を走らせる。

「……そう。話って何?」

数秒も空けずに、創の方からそれについて振ってきた。

「あぁ。その、余計なお世話かもしれないんだけどさ」

今朝と同様、どう話したらいいかも分からなかった。だけどやはり心配で、黙ってられない。

「霧山のこと。お前、本当にこのままでいいのか」

「いいって……何が?」

「納得してないんだろ。今日、あいつから聴いたよ」

できる限り平常心で返すと、彼は高らかに笑った。


「あーあ、やっぱりバラしちゃったか。玲那はお前のこと信用し過ぎだよなぁ」


興味などまるでない、……しかしどこか楽しそうな彼の声に、唖然とした。

疑念が確信に変わった瞬間だった。

「お前、真剣に考えろよ。自分のことだろ?」

「え? 何が?」

創はこっちの態度なんてお構いなしにとぼけ続ける。

ほんとにしょうがない奴だ。

思わず大きなため息をついてしまう。結局、“そこ”から話さないといけないのか。


「お前ら、家の為に結婚するんだって?」

「それか。その通りだけど、別に嫌々ってわけじゃないよ。玲那も俺も、それがベストだって思ってるし」

「そう言ってもな。悪いがすごい軽々しいっていうか……他人事みたいに聞こえる。それに、霧山は……恋人がいるって」


ハンドルを握る手に力が入る。

行きはすいすい来れたのに、時間が遅くなったせいか渋滞に捕まった。ブレーキを踏んで、シートに深くもたれる。

でもむしろ好都合だ。やっぱり、この話はすぐに終わる気がしない。



ファナティック・フレンド

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