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前回の続き(短めですが、最後らへんにそうゆう表現があります。センシティブとは言わないよ…!)
ワンク
「最近、ゾムが反抗期っぽくってさ。
家に帰ってこないことが多くなって。」
「そうなんですか。」
「やっぱこの年になると反抗期になっちゃうものなんかね。しかたないか。」
困ったように、話す男の話を聞いてると頭に痛みが響く。
血管が膨張するように体がゆっくり熱くなる。
「でもさ。さいきん…。
ショッピくん大丈夫?」
突然立ち止まった俺を不思議そうに振り返る。そして見つめる。
「そんな火照って。」
月明かりに照らされた男は、ほのかに笑っていた。
いや気の所為かもしれない。駆け寄ってくる男は、優しく、心配そうに声をかけてくるのだから。
「1回自転車止めようか。大丈夫?」
しゃがみ込んだ俺を覗き込むように見つめる。
鼓動が速くなる。息も荒くなる。じんわりと汗をかく。
「そういえば。しょっぴくん。ゾムの居場所わかる?
ショッピくんは知ってると思うんだけど。」
ここで理解する。嵌められた。やっぱりこいつだ。
「しらっ…。ないです。」
「へえ。そうか。」
体に力が入らない。その場に手をつこうとしたが、地面に倒れ込んでしまった。
地面が冷たい。鼓動が煩い。やっとの思いで瞼を開く。
男の顔が見える。その顔は確実に微笑んでいた。ゆっくりと男の手が自分に、触れるのをただ。ただ待つことしかできなかった。