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「ねえ暗夢、なんで急に国会議事堂なんて来たの?修学旅行も九月にあるのに。」「今日、ここに敵がいるよ。奇襲するから、透明薬飲んで。」
「てことは、国会議員に化けた妖怪がいるの?」
僕は渋々薬を飲み、暗夢と共に、衆議院本会議場に向かった。
「凄い!今首相が答弁してる!」
妖怪の特権を最大限活かせて、正直幸福感を感じた。
「で?今日の敵はどこにいるの?」
「あっち。」
暗夢が指したのは野党席だった。
「あれは、共産党主席の不破夢鉄議員?」
「そう、妖怪としては異例の無神論者。妖怪も人間も自分の下で支配しようなんていう異端者なんだけど、まさか今は国会議員やってるとは思わなかったよ。」
「…選挙でコイツ選んだの誰だよ。ていうか、僕殺されないよね?」
「どうだろうね。」
暗夢はニコニコしてる。コイツもスリルを楽しんでいる異端者なんだよね。
「夢鉄の妖力は二十三。支配性が七でその他の項目が八ずつ。」
「え?暗夢の支配性が二だから、詰んでない?」
「だから奇襲なんだよ。今眠らせたって大丈夫、他のおじいちゃん議員も寝てるわけだし。」
「…。」
すると暗夢は水鉄砲を取り出した。
「透明薬を使っても流石に直接予防剤を口に入れるのはリスクがありすぎる。だから予防剤のうちの愛や下心を特に抽出した液体を水鉄砲に入れて毒殺するよ。」
「なんと極端な…。」
「勿論これは劇薬。私でさえ少し口に入れただけで死にかけたから、気を付けてね。」
そう忠告すると暗夢は水鉄砲につけたスコープを覗き、不破主席に照準を合わせた。
「チェックメイト。」
暗夢が撃った弾は見事に…外れた。薬は隣の議員に命中した。そして、その議員は突然隣の女性議員のスカートを捲り始め、退場処分を受けた。
「暗夢、馬鹿か!あんなカッコつけて外すなんて。しかもそれ人間にもちゃんと劇薬だな。」
「まあ、水鉄砲なんて使ったの久々だし…、あれ。あごめん、もう弾切れだ。」
この妖怪は思ってた以上に馬鹿だったらしい。
「なんでこの大事な時に弾持ってこないの?」
「抽出難しいから中々作れないんだよ!いいから作戦変えるよ。」
妖怪のマイペースはやはり恐ろしい。ただ、相手が強敵なので、渋々言う事を聞く。
「混同性使ってこの時間を夢に変える。そしてなんやかんや夢鉄を首相にしてアイツを幸せの絶頂の中で、革命返しをするんだよ。」
「え?それじゃ結局支配性返しをされて終わりじゃない?」
「まあ見てなって。途中まで私たちは目立たずに夢の中で夢鉄を観察するよ。」
まあ暗夢は戦う選択は間違えない人なので、不本意だが今回も賭けてみることにする。
「じゃ、こっそり夢鉄を眠らせるよ。」
暗夢は夢鉄の肩を叩いた。
夢の中。引き続き会議が続いていた。不破主席もまだ夢の中とは気づいていない。
すると突然、議長席の扉が開いた。官房長官が紫の袱紗を持って、本会議場に入る。その瞬間、議会はざわつき始めた。
「暗夢、そういうことか!」
一応僕は政治には成通しているので、これがどれだけ重大な事態かを理解している。
議長が袱紗を開け、詔書を読み上げた。
「衆議院を、解散する。」
これは議員の明暗、いや日本の明暗を左右する、「総選挙」の合図だ。
次の日から早速、政治家による演説が始まった。不破主席も早々、有権者に熱弁を振る舞っている。会場には多くの人々が詰めかけている。
「共産党にこんなに人が集まるなんて…。暗夢、どうするつもりなの?」
「まあ見てて。」
夢の都合上色々スキップされた上で、投開票日を迎えた。投票終了ののち、各テレビが熱狂に沸いた様子で一報を伝えた。
{共産党が圧勝です!共産党は全ての選挙区で善戦していて、単独で過半数を大きく上回るのが確実な見通しです。}
首相は国会議員の投票によって決まる。共産党が過半数を確保するのであれば、不破主席が確実に首相になる。
「今は夢鉄の幸せの絶頂。白夜くん、面白いのはここからだよ。」
果たして暗夢は、何をするつもりなのだろうか。
咲乃ルイ
#バトル