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※今回はらんらん目線です
俺の家は、代々音楽をやってきている家系だった。
父も、母も、祖父も、祖母も。
みんな音楽に関係することをしてきていた。
そんな音楽一家だから、当然、俺も音楽をやることになるのだが。
…俺は、俺には、才能がなかったみたいで
親に怒られるのなんか、しょっちゅうだった。
父「違う…!また間違えているッ゙!」
父「これで何度目だッッ!?」
父「何度言えばわかるんだッ!?ここは―!」
🌸「ッ…ごめ、なさぃ……っ」(震
小さいときは、とにかく父に怒られることが怖かった。
そのせいか今でも俺は、人から怒鳴られたりすることが苦手だ。
怒られると体が動かなくなって、声が出なくなる。
自分のせいなんだと分かってても、涙が零れてしまう。
そんな生活を繰り返していた。
高校生になっても、それはかわらなくて。
俺の音楽を、誰かに認めて欲しい。
知って欲しい。聞いて欲しい。
―そんなときに、すちと出会った。
初めて聞いたすちの音楽は、優しくて。
俺はその音を聞いた時、思わず泣きそうになってしまった。
常に相手のことを思っているような。
大丈夫、ここにいるよって、言ってくれてる気がして、俺はすちの演奏が大好きだった。
だけど、どこか足りない。
すちの演奏には、まだ足りないものがある気がする。
その足りないものの正体が、俺には分かっていた。
だからこそ、すちに声をかけた。
🌸「君…ピアノ、下手だね」
今思えばなぜあんな聞こえが悪い言い方をしてしまったのかと思う。
すちはきっと驚いただろう。見ず知らずの俺に、こんなこと言われて。
けど……
その後に俺がピアノを弾いたとき、すごくキラキラした顔で俺のことを見てくれている気がして、…嬉しかった。
俺の演奏にすごく聞き入ってくれたらしい。
誰かにそんなことを言われたのは初めてで、内心、とっても嬉しかった。
この子と仲良くなりたい、一緒に演奏したい。そんな思いが俺の頭の中をよぎった。
せめて名前だけでも…そう思った。
🌸「名前はなに?覚えたいっ」
🍵「…すち」
🌸「すちね、よろしく!」
🌸「俺はらん!」
🍵「…よろしく」
ちょっと不服そうだったけど、仲良くなってくれるみたいだ。
俺の初めての、友達だった。
🌸「……嬉しぃなぁ…」(呟
親のことも、俺のことも。
隠し通さなきゃ、とずっと考えて行動してきた。
もちろん、すちにも。
それなのに―
🍵「らんって…ピアノ、どこかで、習ってたの?」
🌸「え、…」
父「違う…また違うッッ゙!!」
父「何度言えばわかるんだッッッ…!!!」
🌸「ッ…え、っと……」
🍵「…今日は、もう帰ろっか」
誤魔化せなかった。
すちに、気使わせちゃったかな……。
けどすちは、すごく優しいから。
俺の事は、何も聞かずに普通に接してくれた。
……あぁ、また救われたなぁ、
いつもすちに助けて貰ってばっかりで…。
🌸「あと何回、すちに救われるのかなぁ……」
すち…やっぱり、凄いよ……っ
コメント
10件
安定の神作ありがとうございますm(_ _)m
らんらんは何しても可愛いよ大丈夫。 そんな父親はゆららおにーちゃんが消してあげるよ(やめい) 神作でしたッッ
うっわ お父さん 処すか .. (( らんらん は ピアノ 上手 だよ ぉ !!!