テラーノベル
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「おやおや、腰、抜けちゃいました?」
完全に身体の支えを失い、冷たいフローリングへとなだれ込みそうになった瞬間。
それを待ち構えていたかのように、瑞樹は空いたもう片方の腕も速やかに柊吾の太ももの裏へと滑り込ませ、落ちていく身体を両腕でしっかりとすくい上げた。
「っ……!? ち、違っ、別に力が入らないだけで……っ!」
「気持ち良すぎて腰砕けになるなんて、敏感なんですねぇ」
「っ、だ、だってあんな……っ! ち、違わないけど……っ、わざわざそんな事言わなくてもいいじゃないですかぁっ」
大の男がお姫様抱っこされてしまった恥ずかしさも相まって、必死に文句を言いながら顔を瑞樹の肩口にぎゅっと押し付けて隠す。情けないのは百も承知だが、真っ赤になった顔をこれ以上見られるよりは遥かにマシだった。
「……やばいな。可愛い……」
「……っ」
(……可愛くなんて、どう考えたってないのに……っ)
抱え上げられたことで密着した身体。はだけた甚平越しにダイレクトに伝わってくる瑞樹の激しい体温と、下腹部に押し当てられる硬い熱。さらには耳元に吹き付けられる荒く熱い吐息が、柊吾の残された理性を容赦なく溶かしていく。
間近に迫った瑞樹の顔。眼鏡の奪われた瞳は暗がりの中で爛々と危険な熱を孕み、逃げ場を失った獲物を完全に噛み砕こうとする肉食獣そのものの眼光で、柊吾を見つめ返していた。
「あまり可愛い事ばかりしないでください。興奮が抑えきれなくなってしまうから」
「っ、そ、そんなつもりは……っぁあっ」
耳朶を食み、耳の中に熱い舌が潜り込んでくる。ぞわぞわっと甘い痺れが鼓膜から頭の芯へと一気に駆け抜け、柊吾は背筋を跳ねさせるようにして瑞樹の首元に強くしがみついた。
「っ、ひ……ぁ……ッ!?」
ダイレクトに与えられる粘着質な刺激に身悶えし、柊吾は瑞樹の首元に顔を埋めたまま、耐えきれずに掠れた声を漏らす。
「み、耳っ……だめ、そこ……っ! ゾクゾク、する……っ」
「耳、弱いみたいですね」
ぴちゃ、っという艶めかしい音が耳元で鳴り、瑞樹の熱い舌先が耳の奥をくすぐるように深く潜り込んでくる。
「ひぁッ……ぁ、う……んんっ」
内側を舐めしゃぶられる官能的な快感に、ぞわぞわと産毛が総毛立つ。ダイレクトに刺激される鼓膜の奥から身体の芯まで熱が駆け巡り、下腹部がじゅんとせつなく疼いた。
耳を舐められただけでこんな反応をしてしまう自分が恥ずかしくて堪らず、少しでも声を抑えようと瑞樹の肩にしがみついてみたけれど無駄な抵抗で、首筋に鼻先を埋め、息を殺すのが精一杯だった。しかし、瑞樹はそんな柊吾の必死な抵抗すら逃さず、隙間なく押し当てられた身体越しに低く笑う。
「……可愛い。本当に、声まで我慢しようとして」
「っ、ふ、あ……っ! 我慢、なんか……っ!」
「我慢できてませんよ。全身、こんなに震えて……堪らないな」
耳元で耳朶を甘噛みされ、吐息が直接鼓膜を揺らすたびに、下腹部の疼きは増すばかり。
浮遊する身体はやがてそっとリビングに置かれていたソファへと横たえられ、間髪入れずに瑞樹がその上へと覆いかぶさってきた。
逃げ場を塞ぐようにして両脇に腕を突かれ、上から見下ろす瞳には、暗がりの中でも隠しきれない淫らな熱が宿っている。
「っ、く、黒瀬さん……っ」
「……すみません。俺の部屋散らかってるんです。だから、此処で……いいでしょう?」
「えっ……あ、っ……!」
言い終わるよりも早く、重ねられた唇。玄関での焦らしを吹き飛ばすような強引で深い口づけに、柊吾の息は一瞬で詰まった。
#婚約破棄
霞花怜
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コメント
1件
あああああもうやばいやばいやばい!!😭💕 お姫様抱っこされて必死に顔隠す柊吾くん、可愛すぎて頭おかしくなるかと思った…!!「腰抜けました?」からの流れ、エモすぎるでしょ…耳攻めシーンもゾクゾクしたし、瑞樹さんの「可愛い」の破壊力ヤバすぎる…!! 続きが気になって夜しか眠れないんだけど?! かんなさん、尊いをありがとうございます…!!🌸