「好きだっ!」
僕の口から出たのは、そんな一言。
やべ、口が勝手に…
「あ、いや、その、」
僕がその場から立ち去ろうとした時、ガシッと颯馬が僕の腕を掴む。
「なあ、どういう意味?」
「あ、いや、」
「湊、教えて、」
颯馬の顔は、苦しそうな、そんな顔をしている。
なんで、颯馬がそんな顔すんだよ…
「えっと…」
「勘違いしそうになるから、はやく…」
「恋愛感情として、お前が好きだ…っ」
多分、僕は颯馬を苦しませていたんだろう。
僕は恋人を作らないし、ましてや颯馬は男。
多分、颯馬は僕と付き合うのは不可能だと思ってるのだろう。
「本当…?嘘なら今のうちに言っといた方がいいよ、?」
「嘘じゃない…」
「俺、何があっても湊を離さないよ…?」
なんで、そんなこと聞くんだ…?
「あ、ああ…」
「最後に聞く、本当にいいの?湊が思っている以上に、俺すごく重いよ?そのうち、嫌になるかもしれない、だけど、俺離せられない、それでも、いいの、?今のうちだよ、?」
「僕だって、颯馬のこと、離したくないし…」
そう言うと、颯馬が「はぁ…」とため息をついた。
や、やべ、変なこと言ったか、?
「なに、可愛すぎ…」
聞こえてきたのは、今にも消えそうな颯馬の声。
颯馬はびっくりするほど赤面。
「湊、好きだ。付き合ってくれない…?」
まだ顔が赤いまま、改まってそう言った颯馬。
こくんと頭を縦にふる。
恥ずかしすぎて、「うん」なんて言えない…
「湊、言葉で返事、ちょうだい?」
なっ、こいつ…
「よ、よろしくお願いします…」
颯馬に聞こえてるか聞こえてないか、そんな小さな声でそう言った。
「好きだ」
颯馬はそう言い僕を抱きしめた
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