テラーノベル
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晶子はしばらく言葉が出なかった。物心ついた頃から、高校、大学へと進学し、大きな会社の正社員になるんだろう。そんな人生しか想像した事がなかった。
晶子の家族はもちろん、親戚や両親の知り合いの大人たちは、全員そういう進路をたどって来た人たちばかりだった。
高卒で就職する人たちがこの世にいるという事自体は、知識としては知っていた。だが、こんな具体的な話を身近な人間から直接聞かされたのは生まれて初めてだった。
「ええと、これ聞いていいのかな?」
晶子はおそるおそるカンナに言った。
「ん、どうした?」
「良太さん、最初の就職先とどう合わなかったのかなって。でも良太さんのプライバシーだし」
カンナはまた「ギャハハ」と豪快な笑い声を上げた。
「いいよ、あいつがそんな事気にするタマじゃねえって。良太はさ、普段は格好つけてワルぶってるけど、どっちかって言うと裏方向きなんだよな。人が見てないとこでコツコツやるような仕事が向いてる性格。それが地元の零細企業の営業職になっちまってさ」
「え、そうなんだ。良太さん、もっとワイルドな人かと思ってた」
「ありゃ無理してんだよ。ほんとは人づきあいが苦手で、貧乏人の世界で育ったから社会常識もないしさ。ま、これはあたいも人の事は言えねえけどな」
「つまり、良太さんは、高校の進学先と就職先選びの両方で失敗して、だから今でもフリーターなんだって事かな?」
「そうだな、あたいの見るところではな。だからあいつが高校の授業料に突っ込んだ金は全部無駄になっちまってるって事。元が取れないどころか損してる。あたいが進学は投資だって言った意味、分かったか? 晶子」
「ううん、あくまで何となくだけど、分かったような気がする。でも、だったらあたしは、やっぱり就職に有利な大学の学部を選ぶべきなのかな?」
#青春恋愛(多分)
もな
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コメント
1件
うわ〜第77話、めっちゃ深い回だった!😭✨ 晶子が「言葉が出なかった」ってとこで、彼女の価値観がガラッと揺さぶられたのが伝わってきたよ。カンナの「ギャハハ」の笑い声で重くなりすぎないのも絶妙だね!良太さんが実は人づきあい苦手で無理してワイルド装ってるって裏話に「え、そうなんだ!」って一緒に驚いちゃった。進学は投資って言葉、晶子が「分かったような気がする」って答えるリアルな反応も共感しかない…最後の「あたしはやっぱり就職に有利な大学を選ぶべき?」って問いかけ、めちゃくちゃ考えさせられるよ〜続き読みたい!📚💕