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#青春恋愛(多分)
もな
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カンナは急に真剣な表情になって晶子に言った。
「晶子の場合、そう決めつけるのは早いだろ。そんなに日本史の勉強が好きなら、その道の学者になるって未来もあるかも、じゃねえか」
「が、学者! いや、それは考えた事もないけど」
「晶子みたいに頭のいい連中は、この先人生どう転ぶか分かんねえじゃねえか。そういう意味じゃ、晶子のお母さんが言ってる、好きな道に進めってのも、それはそれで間違っちゃいないと思うぜ」
「結局自分次第かあ。そうだ、カンナは進学はどうするつもりなの?」
「進学って大学の事か?」
「うん。カンナは大学行くの?」
カンナは突然身をよじって大笑いした。近くの席の他の客が思わず目を向ける程大きな声で笑った。それに気づいたカンナはあわてて声をひそめて、しかい顔は笑いながら答えた。
「あたいみたいな頭悪い奴が大学なんて行けるわけねえじゃん。晶子とは違うんだからさ。ま、せいぜいマシな就職先探すさ。まだ2年あるしさ」
「あ、カンナの高校は4年で卒業するんだったね」
「ああ、いざとなりゃ学校の斡旋に頼らないで自分で探すさ。今のメイド喫茶に正社員として雇ってもらうって手もあるしさ」
「え、そんな話があるの?」
「いや、あたいが勝手に思ってるだけ。でも、ああいう店って、裏方のお金の管理はずいぶん大変なんだ。あたい商業科だろ。簿記や会計の専門知識持ってれば、今のバイト先でなくても、需要はあると思ってんだ」
話に夢中になって時間がずいぶん経ってしまった。二人は会計を済ませて、通りに出て家路につく。
雨は相変わらず降り続けていた。傘を広げながらカンナがため息交じりにつぶやいた。
「まったくいつまで降るんだろうな、この天気。父ちゃんの現場の仕事が流れると、また家計がピンチになっちまうよ」
並んで傘をさして、二人の家路の分かれ道であるあの踏切まで歩いて行く。晶子は時々、チラチラと横目でカンナの顔を見ながら、ひょっとしたらカンナの方が自分よりいろんな意味で精神的に大人なのかもしれないと、思った。
同い年で体格もよく似通った小学生時代からの親友の姿が、なぜか今の晶子の目にはまぶしく映った。頼もしいと思うと同時に、晶子は少しだけ、カンナが遠い世界の人になってしまったような、寂しさも感じていた。
コメント
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カンナの「頭悪い奴が大学なんて行けるわけねえ」って台詞、すごく刺さりました。本人は軽く笑ってるけど、家庭の事情とか自分の立ち位置をしっかり見てて、それでも「自分で探す」って言える強さがカッコよかったです。晶子が「まぶしい」と同時に「寂しさ」を感じるのも分かるなあ…。同い年なのに、進む世界が違って見え始める瞬間、切ないですね。雨の描写も相まって、じんわり沁みる回でした。