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「……あー、も〜……そんな顔して。反則ですよ」
瀬名が低く呟いたかと思うと、強引に腕を引かれ、そのまま硬い胸の中に閉じ込められた。
戸惑う間もなく顎を掬い上げられ、半ば強引に唇を塞がれる。
咄嗟に顔を背けようとしたが、それを許さないとばかりに後頭部を大きな手で押さえつけられ、逃げ場を完全に断たれた。
そのまま熱い舌先が、理人の唇を強引にこじ開けて侵入してくる。
「ん……ぅ……っ!」
不意に突き込まれた塊に、背筋をゾクゾクとした戦快感が駆け抜けた。
一週間ぶりの、待ちわびていたはずの濃厚な接触。理人の体中の血液が、一気に沸騰したかのように熱を帯びる。
口腔内をくまなく蹂躙され、理人は無意識のうちに瀬名の首に腕を回し、しがみつくように抱きついていた。拒むどころか、自らもっと深く瀬名の熱を欲して、舌を絡める。 お互いの荒々しい呼吸と、粘つく卑猥な水音が、誰もいないオフィスに生々しく響き渡った。
ここは会社だ。もしかしたら、まだ誰かが残っているかもしれない――。 そんな微かな理性は、瀬名に与えられる強烈な快楽の前ではあまりに無力だった。
もっと欲しい、もっと壊されるほどに……。理人は夢中で、瀬名の吐息を飲み込み続けた。
どれほどの時間、そうして貪り合っていたのか。 やがて瀬名が名残惜しそうに唇を離すと、銀色の糸が一本、二人の間に引いてはプツンと切れた。瀬名はそれを指先で絡め取ると、理人をじっと見つめたまま、妖艶に舌先で舐め上げた。
「……はぁ、堪らないな……。理人さん、顔、真っ赤ですよ」
瀬名はそのまま理人の肩に顔を埋め、骨が軋むほど強く抱きしめてきた。その、どこか必死さを感じさせる仕草がたまらなく愛おしく、理人も震える手で彼の背中を抱き返した。
「……もう、限界です。我慢できそうにない」
「……え?」
「今日、泊まりに行ってもいいですか? ……いいえ、行きます」
耳元で囁かれる瀬名の声は、低く、欲望に掠れていた。覗き込んできた瞳は、いつもの冷静な部下のそれではない。獲物を仕留める直前の肉食獣のような、ギラついた光を放っている。
「……だめだつっても、お前、聞く耳なんて持ってねぇだろうが」
素直に頷くのは癪で、理人はわざと不機嫌そうな声を絞り出した。けれど、その声さえも情熱に湿っていることを、瀬名が見逃すはずもなかった。
「あはは、バレました? もしダメって言われたら、今すぐここで押し倒して犯しちゃうつもりでしたから」
瀬名は楽しそうに笑うと、理人の体をくるりと反転させ、背後から耳たぶを甘噛みした。
「今、凄くしたいんです。……あなたと。一週間分、全部出させてください」
耳に届いた直熱な言葉に、腰から砕け落ちるような甘い痺れが全身を駆け抜けた。
どうして自分なのだろうと、未だに理解できない。 それでも、この男にここまで激しく求められることが、どうしようもなく理人の存在意義を充足させてしまう。
「……こんな所で犯されたら、始末書どころじゃ済まねぇからな。……少し、待ってろ」
理人は高鳴る鼓動を鎮めるために深く溜息をつくと、乱れた呼吸を整え、手早くデスクを片付けてパソコンの電源を落とした。