キャラ設定
涼架(猫):生まれつき魔法使いの力を引く猫
若井:大学2年生。音楽が好きで、青いバンダナ をいつも持ってる
プロローグ:雨上がりの出会い
若井side
その日の夕方、俺は大学の授業を終えて帰路についていた。
天気予報通り、さっきまでの土砂降りが嘘かのように止み、アスファルトからは湿った土の匂いが立ち上がっている。
イヤホンから流れる音楽に耳を傾けながら歩いていると、ふと、見慣れない音が混じってした
「……にゃあ、にゃ、にゃあ……」
か細く、苦しそうな鳴き声だった。
俺は音楽を止め、周囲を見渡す。
声は近くの公園の茂みの中から聞こえてくる。
「おい、大丈夫か?」
茂みをかき分けると、そこには一匹の猫がうずくまっていた。
黄色っぽい茶色の毛並みが泥で薄汚れていて、濡れた毛は心なしかか細く見えた。
エメラルドグリーンの眼は、若井の姿を捉えると警戒と不安が混じったように揺らいだ。
よく見ると前脚を痛めているようで、力なく引きずっている。
「やっぱり怪我してるな‥…」
若井は静かにしゃがみ込み、ゆっくり手を差し出した。
猫は一瞬身を硬くしたが、若井の優しい声に、少しだけ警戒を解いたようだった。
「俺、変なことしないから。ちょっとだけ見せてくれ」
若井は優しく声をかけながら、自分のギターケースに結ばれている青いバンダナをほどいた
このバンダナは、若井がいつも持ち歩いている若井にとっては相棒のような存在だった。
「これ、痛いの飛んでけって、おまじない」
そう言って、俺は猫の傷ついた脚に、青いバンダナをそっと巻きつけた。
バンダナの感触に、猫はびくっと体を震わせたが、若井の丁寧な手つきに安心したのか、やがて静かになった。
「よし、これで大丈夫だ」
俺は猫の頭を軽く撫でた。
猫は目を細め、喉を微かにゴロゴロと鳴らした
それは、苦痛の鳴き声とは違う、安堵と感謝の音だった。
「じゃあな。早く良くなれよ」
俺はそう言い残して、再び歩き出した。
彼の背中を見送る猫の瞳は、エメラルドグリーンの光を強く宿していた。
この日の出来事が、2人の運命を大きく変えるとは、まだ誰も知らなかった。
次回予告
[若井の日常と猫の瞳が捉える世界]
next→❤︎500
コメント
6件
また神作作り出しちゃって!!めちゃくちゃ見ます!
新作ぅぅ😍💕 神作になる予感しかないです! てかもう神作です!!!
ちょ、その猫うちにください。 (すみませんでした)