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・吊り橋
田舎の温泉宿で、美味しい食事と温泉を堪能し、のんびり過ごしていると、タバコを切らしていることに気がついた。
宿の売店は既に閉まっていたので、小さなバックに小銭を持って吊り橋を渡った先にあるコンビニへ行くが、店員2人は俺の事を無視して喋っている。
聞き耳をたてると、夕方、吊り橋が崩壊してとかなんとか。
慌ててもと来た道を戻ると街路灯すらなく、薄暗い道の先には吊り橋がなくなっていた。
荷物も車も宿に置いたままの俺は途方に暮れた。
説明
夕方に崩壊した吊り橋を渡れるはずない。
語り手は街路灯もなく、薄暗い闇の中で吊り橋を渡ろうとして谷底に落ちてしまったのだろう。
自分が死んでしまったことに気がついてない彼の態度が、何とも切ない。