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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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丁度同じ頃、兵庫県川西市の山中でオンドレとバックル、虎大(こだい)と竜哉(たつや)は話し合っていたのである。


「んじゃあ、ずっとこの山の中で待ち続けるって言うのか、兄貴?」


「だって、待っててって姐さん言ってたじゃねーかよ、竜哉!」


「いやいやいや、お姉さんこうも言ってたぜ? もしアタシが戻らなかったら、ってな?」


「そうだっけ? んで何て言ってたっけ?」


「んんー、確か…… そうだっ! クシャ、トマ、コマ、だったぜ兄貴! そこへ向かうように言っていたと思うぞ!」


「いや、そう言っても何の意味も為していないだろ? くしゃとまこま? どうすんだ、これ?」


「トマコマ…… 苫小牧(とまこまい)? 苫小牧か? 北海道の! どうだ兄貴?」


「ええぇー! んじゃあクシャは? クシャ! 何の意味も無いんじゃないのぉ!」


確かにクシャが説明が付かないと言うオンドレの指摘は的確に見えた、だが、バックルはクールに言い放ったのであった。


「釧路(くしろ)? いいや、屈斜路湖(くっしゃろこ)の事じゃねーかなぁ? 何れ(いづれ)にしても北海道なんじゃね? そうだ!! 兄貴っ! お姉さんが渡してきたお金って幾らぐらいだったんだよ?」


「ん、そうだな…… うおぉ! 何か四十万位あんぞっ! ん? あれれ、これってそう言うことなのか? な?」


バックルは美しい顔を堂々と反らして良い放ったのである。


「兄貴、ビンゴだぜ! 四十万なんて『北海道にて待つ!』以外意味ないじゃないかぁ! 決まりだな、行こう試される大地に! そこにお姉さんは待っているんだ!」


「…… そうだな…… うん、行ってみるかっ! 試される大地に! よしっ! 姐さん待ってろよ~! たどり着いてやるぜいっ!」


「だな!」(ニヤリ)


「ああ」(ニヤリ)


兄弟は勇気凛々で山中を後にして、試される大地、北海道に向けて歩き出したのであった。




翌朝、始発で向かったコユキは、無人の山中で、オンドレとバックルが念のために残して行った書置きを目にしたのであった。



姐さん、仰る通り約束の場所にて再会出来るよう、向かう事とします、待っててね

虎大、竜哉 てへへ



ふざけんじゃねぇよ! せめて行き先書けよ! 馬鹿なの? ってか馬鹿なの?

これがコユキの偽らざる気持ちであった……


お前もな、これが私、観察者の偽らざる気持ちであったのだが、言わずが花、一方通行だから聞こえなくて良かった、結果的にはそうであったのである。


とぼとぼ帰ったコユキッたら、ルクスリアとイラにペコペコ頭を下げて、辛いハメに陥ってしまうのであった。

更に、たった一日、都合二日の間に善悪が聖魔力に対する理解を深め、超絶戦士、謂わば『聖魔騎士 GOD(青)』的な物に成長を果たしていた事等、思いもしないコユキなのであった。

堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

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