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最高です>⩊<続き待ってます!
侑視点
既に教室内は生徒達の騒がしい声で溢れている。
ひと組出ていけば入れ替わりでまたひと組入ってくる。結構な行列が出来ているらしい。
「侑君!席案内してきてくれん?」
「へー」
新しく入ってきた生徒の元へ気だるそうに歩いてゆく。
文化祭前に女子からメイドのコモンセンスを教えて貰った。確か全部で3つある。
1つ目は客は全員ご主人様呼びをすること。女子から聞いた話によるとメイド喫茶ではこれが普通らしい。
2つ目は態度や言葉使いに気をつけること。タメ口なんかもダメだし、いつでも笑顔でいなければならない 。
3つ目は挨拶などはしっかり言うこと。生徒が入ってきたら「おかえりなさいませ、ご主人様。」と言い、食べ物を運んだ時は「美味しくなぁ〜れ♡萌え萌えきゅん♡」といかにもメイドっぽいセリフを言わなければいけない。
くそが。
「ぇ〜..おかえりなさいませ、ご主人様..
席をご案内します」
敬語を普段中々使わないので不自然でないか不安になる。
多分3年生の男子生徒をちょうど空いていた2人席に案内する。
「ごゆっくりどうぞー」
何も注文しないと言うのでほかのお客さんのところへ行こうとした時、男子生徒に腕を掴まれた。
「俺ら今日君目当てでここ来てん。やっぱ可愛ええなぁ。なぁ、連絡先交換しよや。」
「えっと..そういうサービスはしてないので…」
まさかここでナンパされるとは。こんな時も愛想笑いをしなければならないのは結構疲れる。
「ええやん!連絡先だけやで?あ、もしかして今忙しいん?じゃあ後で会おうや!」
話がどんどん進んでいく。断らなければいけないのに3年生なのと今はメイドなので断り方が分からない。いつもならズバッと断れるのだが。
「なぁ、ええやろ?」
諦めない先輩がだんだん面倒くさくなってきた。
「…んー..まあ..ええですけど… 」
早くこの先輩から逃げたくてついOKしてしまった。
「じゃあ終わる頃にまた来るわぁ!」
そう言い、2人は教室から出ていく。
は?それだけ?そのためだけに来たん?
少しの間先輩が出ていった扉を見つめていると接客をしてほしいとまた声をかけられた。
あの2人の存在を忘れるのには十分なほどとても忙しかった。
─昼頃
1日の中で1番混む時間帯。
ここで事件が起きた。
「おかえりなさいませ、ごしゅ..ッてはぁぁぁぁぁぁ!?!?」
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