一覧ページ
地雷少女達の愛は重い ~助けたヤンデレ量産系巨乳美少女達にストーキングされて人生詰んだ件~
第24話 - 第24話 確かに彼女達に悩みがあるかもしれないけれど……。
46
2,593文字
2026年07月09日
一覧ページ
46
2,593文字
2026年07月09日
テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
マイに案内されカウンター席に座る。カウンターの奥の方ではミィが、マイと同じように胸元が開いたサンタ服姿でお客様と談笑している。俺に気が付いたようで俺に向かって軽く手を振ってきたので、俺も手を上げて挨拶をする。アイさんを探すが……アイさんの姿は見当たらない。
「マイちゃん、アイさん今日は休み?」
マイはウーロンハイを俺の前に置くと、ニヤニヤとした表情で俺のことを覗き込む。
「あれ~? もしかして、今日のお目当ては私じゃなくてアイさんだったのかな~?」
「別にそういうわけじゃないけれど、単にアイさんが見当たらないなって思っただけだよ。」
「ふ~ん。ユウト君もアイさんのおっぱいにやられた一人だったか~。」
「俺は外見じゃなくて中身で選ぶタイプなの。」
「へ~、じゃあさっきから、私の胸元をチラチラ見ているのは何なのかな~。」
「それは、そんな衣装を着ているのなら、見ない方が失礼かと思っただけだよ。」
「何それ~。」
マイはケラケラと笑いながら、俺の持つグラスに自分のグラスをカチャリと合わせた。
「アイさん、今日はお休みだよ。いつもイベントの時は必ず出勤するんだけど、今日は急にお休みになったみたい。」
「風邪でも引いたのかな? 少し心配だね。」
「うん。あとで、アイさんに連絡をしてみるよ。何かアイさんに伝えておいて欲しいことはある?」
「別にないかな。まあ、体調不良なら『お大事に』とでも連絡をしてくれ。」
「了解~。」
マイは話しながら、カウンターに頬杖をついて前かがみになる。まるで俺を誘うかのように、胸元を強調し上目遣いでこちらを見上げた。女の子に上目遣いをされる場合、普通ならぶりっ子のような表情を想像するが、マイの上目遣いは何というか……色気を前面に押し出した蠱惑的な表情だ。普段ニヤニヤとしている分、真顔なのがより一層セクシーさを引き立たせている。
「今日の私、どう?」
いつもと異なり、真剣な表情を浮かべるマイにたじろぎながらも、マイのことをしっかりと見る。なんというか……前に見た時と顔の雰囲気が少し違う……。ということは……。
「サンタ服メチャ似合っているよ。あと……もしかして化粧を少し変えた? なんか、サンタコスに合わせたメイクにしている気がするんだけど……気のせいだったらごめんね。」
マイは、無言のままじっとこちらを見続ける。気まずくなり俺が目を逸らした瞬間、いつものニヤニヤとした表情に戻った。
「正解! ユウト君、凄い! 良く分かったね! いつもはがっつり地雷系のメイクをしているんだけれど、今日は地雷感を薄くしてサンタ衣装に合わせているんだよね~。」
気を良くしたマイとその後も楽しく談笑をする。しばらくしてからマイを指名するお客様が現れた。マイは断ろうとしてくれたのだが、俺はイベント中にも関わらず客の入りが少なかった場合、少しでもメルラブに貢献しようかと思い立ち寄っただけなので会計をお願いした。
会計時にマイからカードにスタンプを押される。
「ねえ、スタンプカードの約束覚えてる?」
マイとのスタンプカードの約束――マイに毎回キャスドリを奢り、1分間の動画撮影までポイントを貯めたら動画撮影中にベロチューをしてくれるというものだ。
「覚えているけれど別に良いよ。」
「え~なんで? 私としたくないの?」
「したいか、したくないかで言えばしたいよ。でも、マイちゃんのためにも店のためにもならないだろ。まあ、そんな約束が無くても、マイちゃんにキャスドリを頼むからさ。」
マイは沈んだ表情でボソッと呟いた。
#長編
結愛
329
#地雷系
#夏休み
トド村
44
「私からエッチを除いたら何もないじゃん……。」
マイのことを覗き込むと、何でもないかのようにいつも通りのニヤニヤとした表情に戻り手を振る。
「絶対、また指名してくれよな!」
俺はマイとグータッチをしてから店を出た。
◆◆◆◆
時刻はもうすぐ23:30、今日は早めに寝ようかと歯を磨いていると、俺のスマホがリズミカルな音を奏でた。何かと思い画面を見ると、珍しいことにミィからの通話だ。俺は口の中の歯磨き粉を洗面所に吐き捨て電話に出る。
「どうした?」
「今、アイさんから連絡があったんだけれど、様子がおかしいから見に行って欲しいの。」
ミィは他の人に聞かれないように気を付けているのか小声で話す。しかし、物凄く焦っている様子は伝わってくる。
「おかしいってどういうこと?」
「アイさん彼氏に振られたみたい。彼氏が浮気していたみたいなの……。アイさん泣いていた。」
クリスマスイブに振られたのか……それは気の毒に……。俺も気持ちは分かる。クリスマスイブではなかったが、俺も突然彼女に別れを告げられて、それから音信不通になった時は月並みな表現だが心に穴が空いたような気分だった。
「まあ、時間が解決してくれるのを待つしか……。」
ミィは俺の言葉に被せるように話を続ける。
「電話を切るときに『バイバイ。』って言われたの。いつもアイさんは私に寂しい思いをさせないように『またね。』って言ってくれるのに……。それに、凄く思い詰めていたみたい……。だから……もしかしたら……。」
アイさんほどの美人であれば今までに何人も彼氏がいたはずだ。それが今回に限ってそんなわけ……。
「ミィの考え過ぎじゃないのか?」
「それならそれで良いんだけれど……アイさんに何かあったら私……ユウト君、見に行ってくれないかな。」
「もし、そんなに気になるのなら、ミィが仕事帰りに見に行けば良いのでは? アイさんはミィに連絡を入れたわけだし……。」
「私も今すぐ行きたいんだけれど、今、人がたくさん来ていて、抜けられる雰囲気じゃないの……。アイさん、私と仲良くしてくれたから、最後に私と会話したかったんじゃないかって……。でも、もし仕事が終わってから電話をしたら、異変に気が付いた私がアイさんの家に駆けつけちゃうかもしれないから……だから仕事中に電話をしてきたんじゃないかって……。考えれば考えるほど心配になっちゃうの……。」
「俺はアイさんの家がどこにあるか知らないからなぁ……。」
「それは、私が今から送る。」
「良いのかよ! 他人の……それも女性の住所を……。」
「アイさんは、私の恩人なの! それに……。」
ミィは今までに聞いたことのないような……ハッキリと、電話越しでも決意が伝わるような声色で話した。
「私、ユウトのこと信じてるから。」
コメント
1件
読了です。クリスマスイブの夜、アイさんの突然の休みと、マイの“私からエッチを除いたら何もない”という呟きがすごく刺さりました。あの軽いノリの裏側に、彼女自身の悩みがちらつく感じがリアルでしたね。そしてラスト、ミィの“信じてるから”という台詞で一気に緊張感が走りました。アイさんの無事を祈りつつ、続きが気になります!