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最近の私は自分でも分かるくらい素直じゃない。
「…彩希、近い」
彩希「え?いつもと同じ距離だけど?」
「今日は近いの」
わざとそっぽを向く。ほんとは嫌なんて思っていない。むしろ――
彩希「ふーん?」
彩希はニヤッと笑って、さらに一歩近づいてきた。
「ちょっ///なんで近いって言ったのに近づいてくるの」
彩希「じゃあ離れる?」
「……別に、離れなくていい」
彩希「どっちなのそれ」
放課後の音楽室。
他の部員はまだ片付け中で、私たちは少し離れた場所にいた。
彩希「咲乃ちゃん、最近ツンツンしてない?」
「し、してない」
急に言われて戸惑っていると、彩希が急に真面目な声で言った。
彩希「ねぇ」
「…なに」
彩希「うち、咲乃ちゃんにツンツンされるの、結構好き」
「はぁ⁉」
彩希「だってさ」
彩希は一歩近づいて、私の袖をちょんと掴んだ。
彩希「そのあと絶対、甘えてくるもん」
「あ、甘えてない」
彩希「今も」
「今は……」
言葉に詰まった。
彩希「ほら」
彩希が軽く腕を広げる。
彩希「来ないの?」
「……」
周りをちらっと確認してから、私は小さく一歩近づいた。
「……ほんのちょっとだけだから」
彩希「うん」
そう言うと私は彩希を軽く抱きしめた。…心臓がうるさい。
彩希「かわいい」
「…うるさい///」
誰かに見られたら恥ずかしい。でも、今だけは。
「……彩希」
彩希「ん~?」
「……好き」
彩希「知ってる」