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伊波ライside
高校に入学して、半年。
夏休みが終わって「だる」なんて言いながら、
皆が登校する。
俺もその中の1人なんだけどさ。
真夏はすぎてもまだまだ暑くて、
隣を歩く親友はそろそろ溶けて
無くなんじゃねぇかってくらいくでってて。
「なんでライはそんなに、
︎︎平気そうに歩くわけ?」
「⋯いや、平気じゃないけど。普通に、暑い」
「ならもう少し暑そうにしろよ!」
なんて言ってる親友を置いて俺は先に進む。
「ちょ、待てって!」
なんて言って追いかけてくるその姿に、
朝から笑う。
それが高校に入学してからの唯一の楽しみ。
俺の事を朝から笑わせてくるのは、
中学の時からの親友。
小柳ロウ。
ロウとはクラスは離れたし、
放課後はあいつは部活だしで
会わないから本当にこの朝が唯一の楽しみ。
友達が居ないわけじゃないけど、
ただ俺と気が合うやつが
あいつしかいないだけ。
「そういや、聞いた?」
「何を?」
学校まで後少しって所で、聞いてくる。
夏休み明け初日なんだから、
何も聞いてる訳なくね?なんて思ってたら
「転校生?来るらしいぜ?」
なんてニヤつくロウ。
「転校生?」
「そ、男か女かは分からないけど
ㅤ⠀ㅤ来るらしいんだよね」
中学の時から思ってたけど、
そういう情報マジでどこから知るわけ?
「ふーん」
ついでに言えば、興味無い。
転校生だからって気になるわけでも、
話しかけようとも思わない。
「ふーん。って!
︎︎女子だったら最高じゃね?!」
そんな俺とは対照的に、
ロウは小さい事でも騒ぐしソワソワするし、
うるさい。
「⋯本当に、女子に目がないんだな」
「いや、これが男子の普通だから。
ㅤ⠀ㅤライが興味示さないのが
︎︎不思議で仕方ないんだけど、俺は」
なんて話していれば、学校に着いて。
いつも通りガヤガヤしてる廊下を
「伊波ー!はよ」
とか
「ロウ、お前宿題した?」
とか話しかけられながら、教室まで歩く。
俺の教室よりも先にロウの教室に着いて
「んじゃ」
ヒラヒラと手を振って
教室に入っていくのを見送って
2つ先の俺の教室まで歩く
教室に近づくほど、
うるさくなっていてドアを開ければ
「伊波!転校生!うちのクラスかもって!」
なんて近くにいた男子が
俺に興奮して言ってくる。
「へぇ、うちのクラスなんだ」
なんでみんな、転校生に
こんなワクワクしてんの?
転校生に期待持ちすぎたら、
転校生が気まづくね?って思うんだけど。
「んだよ、興味無い感じ?!」
「全く、無いね」
なんて会話をしていれば、
俺の席の方から声がして
「伊波の隣じゃね?!席!」
そう言われた瞬間視線が
一気に俺の席に向かう。
確かに俺の左隣は空いてる。
入学した時から、
俺のクラスはほかのクラスより1人少なくて。
担任に適当に決められたこの席順だと、
窓側の1番後ろが空いてて。
「恋、始まんじゃん?!」
「なんでだよ、
︎︎女子じゃなかったらどうすんだよ」
勝手に、転校生は女子だと
盛り上がって俺と恋が始まるとか
ガヤガヤしだした教室。
⋯正直、恋愛に興味はない。
好き?とかよく分かんねぇし。
「なんだ、今日はいつも以上にうるさいな。 ㅤ⠀ ︎︎席に着けー」
ガヤガヤが止まらないまま時間は過ぎて、
担任が入ってきたことで静かになる。
バタバタと全員が席に着いて、静かになった時
「先生!転校生が
ㅤ⠀ㅤうちのクラスって本当ですか?!」
なんて1人の男子が言い出す。
「お、情報早いな。そうだ、
ㅤ⠀ㅤうちのクラスに転校生が来るぞ」
そんな質問に先生は、
少しだけ驚きつつも
転校生の存在を教えてくれる。
本当に転校生が来るって分かった教室は
更にうるさくなって
「転校生が入るから、静かに」
なんて先生が大声を出す。
先生の合図で静かになった教室。
そして
「ごめんな?うるさくて、入って」
なんて先生の声で教室に入ってきたのは、
女子ではなく男子。
さっき女子だと盛り上がってた男子達は、
撃沈していて。
逆に女子は「かっこよくない・・・?」
なんて盛り上がってる。
「はい、じゃあ、紹介するな。
ㅤ⠀ㅤ緋八くんだ。仲良くするように」
緋八。そう紹介されたその男子は、
緊張してるのか手がモジモジと動いてる。
⋯なんか小動物みたいで可愛い⋯ような。
担任に自己紹介をするように
言われた緋八くんは
「あ、と、え、と、緋八⋯マナです。
ㅤ⠀ㅤよろしくお願いします。
ㅤ⠀ㅤ仲良くしてくれたら⋯嬉しい⋯です」
なんて自己紹介。
その発した言葉は、
聞き馴染みのない関西弁だった。
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