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__めめ side__
切りつけられた雪女の背中から、ドクドクと血が流れる。
そう、血が流れているのだ。
雪女は妖怪のため、血が無いはずである。なのに目の前には、血が流れ倒れた雪女……
レイラー「なんで……」
レイラーが、恐らく私達全員のだろう心の声を代弁した。
あっけなく呆然と立ち尽したまま、雪女を見つめる。
??「…ぐッ……ん、?」
??「こ……ろさな…いんで、すか……?」
トドメが来ると予想していた雪女は、背中の痛みに耐えながらも、私達の意外な行動に驚いている。
ウパ「もしかして……」
ウパパロンが喋り出す。
ウパ「もしかして……妖怪じゃない?」
川の中へ革袋を突っ込み、中へ水を入れる。
それを持って帰り、川上にいる大きな岩の元へと持っていった。
みぞれ「すみません……」
その、平たい大きな岩の上に寝転がっていたのは、みぞれという少女だった。
めめ「いえ、私達が悪いんですから…」
めめ「みぞれさんが人間だと知らずに……」
そう声をかけると、彼女が私の方へ頭を向けようとする。ただ、それで背中の筋が伸びたのか、苦しそうに顔を歪ませる。慌ててレイラーが頭を支え、みぞれが上体を起き上げた。
みぞれ「自分も名乗ってませんでしたから…」
申し訳なさそうに言う彼女に、汲んできた水を渡すと、彼女は革袋に口をつけた。
ラテ「質問があるんだけどさ、雪女って呼ばれて何で動じなかったの?」
ラテ「それに、最初にハンターがなんだかんだとか言ってたけど……」
みぞれが飲み終わると、ラテが不思議そうに尋ねた。
…確かにそれは私も気になります。
みぞれ「そうですね…」
悩むように顎に手を添えた彼女を見つめる。
氷のように冷たく艷やかに下へ伸びている銀髪。細く雪のように透明感のある体。
さっきレイラーが応急措置として魔法をかけた背中は、その元の白い姿を取り戻していた。
みぞれ「私の話をすると、」
そう結論を出すと、彼女は一から話し出す。私達は、その話に耳を傾けた。
みぞれ「今は違うんですけど、昔は街に住んでました」
みぞれ「ただ、ある時からその街全体が雪で覆われてしまって」
めめ「雪?」
みぞれ「えぇ、私は昔から周りに雪が降る奇病なんですよ」
いえもん「奇病ですか……」
いえもんが納得したように声をあげる。
奇病とは、その名の通り不可解な病につけられる総称のようなものだ。
色々と種類があるのだが……詳しくは覚えてない。
みぞれ「実は私、小さい頃から、何もない所から氷や雪が作れたんです」
みぞれ「でも、そのうち力が制御できなくなって、私の周りに雪が降ってしまって、…街を追い出されました」
みぞれ「その時に、雪女、と言われてたので、貴方達もそうだと思ってました」
…奇病で追放、ですか……
正直、よくある話である。
能力であり、魔法であり、奇病であっても、普通の人間にとって理解が出来ない現象は差別され、集団から仲間外れにされる。
特にそれが雪ともなれば、街の実害もあっただろう。
……まぁ、だからといってあまり気持ちのいいものではありませんが
ウパ「俺たちのことも、みぞれさんを殺す依頼をされていたハンターだと思ったの?」
みぞれ「そうです」
いえもん「なるほど。だから俺達を倒そうとしていたんですね」
みぞれの身の上を聞いていると、さっきから考え事をしていたレイラーが手を上げた。
レイラー「あの、」
レイラー「みぞれさんは、雪が止まらない奇病なんですよね?」
みぞれ「そうです、」
レイラー「それ、もしかしたら治せるかもしれません」
次回へ続く!
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