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本川さなえの使っているパソコンから、木加あらたの消息は掴めたが、北海道に行くための準備が大変だった。特に、本川さなえと機関車なつの休暇を取る日は、なかなか噛み合わなかったのである。しかし、木加あらたの行方は、北海道の吾妻連邦付近という事が、わかったくらいの情報しかないというのに、あらたとさなえの家族達は、一緒に北海道に行くというのだ。やはり、結婚式を挙げるまでに至った娘と息子の事は、胸を痛める程、心配なのだろう。しかし、機関車なつだけは、「あらたが、見つかってから来て、そんなに大勢でいっても、まだ、あらたが、どこにいるのか、わからないんだよ。今、今、みんなでいっても、なんにもならないわよ」機関車なつは、泣きながら、家族に伝えた。辛かった、家族一同が木加あらたと、本川さなえの事を、こんなにも愛して心配しているというのに、実際は、機関車なつも、家族にあらたを合わせてあげたかった。「ほら、見て。あらたは、こんなに元気に、ちゃんと、いきてるんだよ」と、言いたかったのである。
しかし、今は、それが出来ないのだ。
機関車なつは、やっとの思いで、年始年末の休みの日に、本川さなえと一緒に、北海道に行ける事と、なったのであった。