……キーンコーンカーンコーン…… 授業終了のチャイムが、学校全体に響き渡ると同時に、私は教室を飛び出した。
暗い廊下を走り、走り、走る。
授業が終わり、廊下に出てきた他クラスの担任に注意されるが、そんな言葉は、もう私の耳には入ってこなかった。
今やるべき事は、 “ あの場所に行く。 ”
只、それ だけ。
ゴミ袋とモップを手に、長い長い廊下を走り抜けた後、私は個室に滑り込んだ。
「はぁっ、はぁっ……やっと……!」
授業中、無くなっていないか心配で堪らなかった【××】を見つけて、ほっと、安堵の溜息をつく。
そして、乱れた呼吸を落ち着かせながら、私は貴女に腰掛けた。
「良かった、間に合って………。なくなってたら、どうしようかと思った。」
額の汗を服の袖で拭いながら、そう口にする。
……勿論、貴女は動かない。
「…………冷たいなぁ………。」
だがまあ、別に良いのだ。最初から反応は期待していないし、間に合ったのだから。
「……さて。人が来る前に、片付けちゃおう。」
教室から持ってきたゴミ袋に、貴女の体を乱雑に詰める。
カモフラージュの為に、残り少ないトイレットペーパーと、清掃用具も詰め込んだ。
うん、これなら、ちょっと見ただけではバレなさそうだ。
次に、床にこびりついてしまった血の処理だが………、案の定、水に浸しただけのモップでは落ちない。
「まあ、これぐらいなら……生理の血が床に垂れたってことで、誤魔化せるかな……。」
血が出るやり方ではなく、殴×にしておいて良かった、と頭の中で思う。
ずっしりと重くなったゴミ袋を抱え、私は個室のドアを開けた。
幸い、まだトイレには誰も来ていない。
「よし、誰もいないね……。良かった。」
「この【×体】は………、…うーん………。裏山にでも埋めておくかなぁ………。」
念の為、水を出し、手を洗い、それを服で拭く。 そして、私はトイレを後にした。
「あははっ、一緒に行こうね、××ちゃん。」
「それにしても………。【×体】って、こんなに冷たいんだ。家では、あんなに温かかったのにね?」
おしまい
コメント
13件
最後のセリフが癖すぎて死にました 大好きです(*˘ ³˘)♥ちゅっ
タヒぬまで人を殴ったことがないから分からないんだけど、殴×って血出るよね………? 殴られてる人って血吐くよね…!!?
久々に雪ちゃんの天才具合を確認できたよありがとう