pr視点
放課後廊下
俺はなぜか下駄箱ではなく、校舎の奥へと向かっていた。
理由は、後輩のちぐ。
tg 先輩!
廊下の角を曲がった瞬間、小柄なシルエットがぱっと目に入った。
ちぐは息を切らしながら駆け寄ってくる。
tg なんでこんなところいるんですか?w
pr それはこっちのセリフ。サボり?
tg 違います!w
ぷくっと頬を膨らませるちぐに、思わず笑いそうになる。
tg 昨日、プリントを渡しそびれちゃって…..
そう言いながら、ちぐが紙を差し出す。
このためにわざわざ探し回ってたのか。
pr ありがとな
tg いえ!その、あともう一つ…..
ちぐはそわそわしながら、視線を落とす。
「先輩って、好きな人とか、いますか?」
思いがけない質問に、心臓が跳ねる。
ちぐの瞳が、俺の答えを待っている。
pr(…..あと、0.1歩)
この距離を詰めたら、たぶん全てが変わる。
けど、それが怖くて、俺は踏み出せないのだろう。
pr 秘密…..
ふっと笑って、ちぐの頭をぽんと撫でる。
ちぐは少し拗ねた顔をする。
tg ずるいです!!
pr ちぐは?
tg 秘密です!
俺と同じ言葉を返したちぐの頬は少し紅色だ。
tg (……あと0.1歩)
踏み出せば、届く距離。
だがその時はまだ早い。
コメント
2件
最高!!続きも待ってまーすっ!!!