コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
一夜が明けて、オレとマリーはほとんど同時に起きた。
朝日が眩しい―――
「おはようございます。」
「ススムさん―――」
「ああ、おはようマリー。」
「よく眠れたかい?」
「そんなわけないか・・・」
「ほとんど野晒しで寝ていたんだから、快適とは言えないよな。」
進は辺りを見渡し、そう云った。
「そんなことないですよ!」
マリーは気を使ってくれているのか、これを否定をする。
昨日の夜は焚火をしながら、二人ともいつの間にか寝てしまったようだ。
「もう少しでリーヨンに着くんだろ?」
「そうですね。」
「あとちょっとで着くと思います。」
「朝ご飯を食べたら、出発しようか。」
そう言って、収納のスキルで果物を取り出し、二人で朝食にした。
朝食後、二人はリーヨンを目指し、歩いた。
2時間くらい歩いたところで、大きな街が見えてきた。
「あれがリーヨンか!」
「結構かかりましたね~。」
朝から歩いていたが、魔物にも遭遇することなく無事にリーヨンにたどり着いた。
「門番の人がいるから、あの人に聞いて中に入れてもらいましょう。」
「一つ聞きたいんだけど、街にはどうやって入るんだ?」
ふと疑問に思ったことをマリーに聞いてみた。
リーヨンの外壁は赤レンガで囲まれている。
3メートル以上の外壁は、弱いステータスの魔物除けでもあるのだろう。
常人なら飛び超えることもできない高さだ。
「そうですね。」
「基本的に他所から来た人は通行税を払えば、入れてもらえますよ。」
「街の住人は身分を証明できる物を提示すれば通行税は免除されますよ。」
「部外者は通るたびにお金が掛かるのか。それっていくらなんだ?」
「たしか、街に入るには一人につき銀貨1枚だったハズです。」
「銀貨1枚かってことは日本円だと1000円くらいか。」
「高いような安いような―――」
1000円だとしてもここは異世界。
そもそもの物価が高い可能性がある。
同じ1000円の価値があるとは限らない。
そうこう二人で会話をしている内に門の前まで来た。
「すいません2人なんですが、通ってもいいでしょうか。」
マリーが門番に聞いた。
「君たちは見たことのない顔だな。」
「他のところから来たのかい?」
「はい。ロレーヌの村から来ました。」
「ああ、あの人間と獣人が暮らしている村だね。」
「はいそうです。」
「そうだな、二人だから銀貨2枚で通ってもいいぞ。」
オレは仕方なく、盗賊たちの戦利品であった金貨を1枚取り出し、門番に渡した。
「うむ、しかと確認した。では通ってもいいぞ。」
門番からお釣りを受け取り、進達は門を通過した。
「まずは、ギルドに行けってルイーズさんが言ってたよな。」
「マリー、これからギルドに行こうと思うだが、どうかな?」
「それがいいと思いますよ。」
「ギルドに行って、冒険者として登録を先に済ませましょう。」
こうして二人でギルドに向かった。