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闇に堕ちた圭吾の背中を見つめる志乃の瞳は、涙で潤んでいた。
その胸に渦巻くのは、裏切られた痛みと、消せない愛の炎。
「圭吾……お願い、戻ってきて……」
彼女は震える声で呟いた。
「私たちが築いた絆も、未来も、全部嘘じゃない。
あなたがどんな闇に飲まれても、
私は絶対に信じる。
あなたの中に残る、光を――」
過去の思い出が頭をよぎる。
笑い合った日々。
互いに支え合い、夢を語った時間。
「あの日の約束を、私は忘れていない。
あなたはひとりじゃない。
どんなに遠く離れても、
私はあなたのそばにいる――」
「たとえ、あなたが闇に沈んでも、
私はその闇の中に飛び込む。
それが私の覚悟。
どんなに傷ついても、
あなたを救いたい……ただ、それだけ。」
志乃の声は震えながらも、強く、真っ直ぐに響く。
「圭吾……帰ってきて。
もう一度、私たちの光を取り戻そう。
あなたと私で。」
彼女の心の叫びが、闇に閉ざされた彼の胸の奥深くへと届く。
そして、微かな光の欠片が、再びその影を溶かし始めるのだった――。