テラーノベル
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発作で倒れてから三日。
黃の容体は、少しずつ悪くなっていた。
病室には絶えず心電図の電子音が響いている。
それでも黃は、みんなが来るたびに笑顔を浮かべていた。
黃「そんな顔しないでください。」
ベッドの上で、小さく笑う。
赤は涙をこらえながら首を振った。
赤「……無理だよ。」
青も、桃も、橙も、紫も、誰一人笑うことができなかった。
黃はゆっくりと五人を見渡す。
黃「みんなと出会えて、本当に幸せでした。」
静かな声だった。
黃「最初は不安ばっかりだったけど、みんながいたから頑張れました。」
「ライブも、配信も、レッスンも……全部、大切な思い出です。」
赤が黃の手を握る。
赤「だから、そんなこと言わないで……。」
黃は優しく握り返した。
「赤。」
「青ちゃん。」
「桃くん。」
「橙くん。」
「紫くん。」
一人ひとりの名前を呼ぶ。
黃「僕の分まで、これからも笑っていてください。」
「すとぷりは、六人で始まった大切な場所です。」
「だから……僕がいなくなっても、みんなで前に進んでください。」
紫は首を横に振る。
紫「そんな約束、できないよ……。」
黃は少し困ったように笑う。
黃「紫くん。」
「僕は消えるけど、思い出は消えません。」
「だから、時々思い出してください。」
「『こんなやついたな』って。」
病室にすすり泣く声が広がる。
窓の外には夕焼け。
あの日、六人で見た海の景色と同じ色だった。
黃は窓の外を見つめ、小さく息を吐く。
黃「綺麗ですね……。」
その時だった。
ピッ……
心電図の音が少しずつ乱れ始める。
先生と看護師が慌ただしく病室へ入ってくる。
「みなさん、少し下がってください!」
黄は苦しそうに呼吸を繰り返す。
それでも、最後までみんなを見ていた。
黃「……ありがとう。」
かすれた声。
黃「みんな、大好きです。」
五人の涙が止まらない。
赤は黃の手を離さなかった。
紫は震える声で叫ぶ。
紫「黃ちゃん!」
「一人じゃないから!」
「俺たちがいるから!」
黃は最後の力を振り絞るように微笑んだ。
「あのね……。」
「みんなと出会えて……。」
「僕の人生は……世界で一番、幸せでした。」
その言葉とともに、黃は静かに目を閉じる。
心電図の音が、一本の長い音へと変わった。
部屋には、誰も言葉を発することができなかった。
夕日だけが、六人で過ごした時間を優しく照らしていた。
数日後。
五人は、もう一度あの海を訪れた。
波の音は、あの日と変わらない。
紫が空を見上げ、小さく笑う。
赤「黃ちゃん。」
「約束、守るよ。」
赤が涙をぬぐいながら頷く。
「これからも六人で歩いていく。」
青も、桃も、橙も、静かに空を見上げた。
姿は見えなくても。
笑い声は聞こえなくても。
黃は、これからもみんなの心の中で生き続ける。
風が優しく吹き抜ける。
まるで、黃が最後に笑いかけてくれたように。
――ありがとう。
――またね。
#るぅとくん
#るぅとくん
コメント
3件
電車なのに泣きそうになっちゃった…😭 黄くん…優しいしかっこよすぎ…
また会えるよね〜泣またねだから
いやもう……読んでる途中で涙が止まらなかったわ。黃が一人ひとり名前を呼んで「僕の分まで笑っていて」って言うところ、心臓がぎゅってなった。最後の「ありがとう。またね。」が刺さりすぎてもう一回読み直したよ。連載中なら続きが気になるけど、この話だけで宝物みたいな温かさと切なさが詰まってた。ろあさん、本当にいい話をありがとう。😢✨