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𝕔𝕠𝕔𝕠
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あり
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ー逃げ道は君になった。ー
🩷佐野勇斗 攻
💛吉田仁人 受
🤍山中柔太朗
❤️曽野舜太
💙塩﨑太智
〜夏祭り当日〜
今日は、待ちに待った夏祭りの日。
俺は朝から、なぜか落ち着かなかった。
昨日買った浴衣をもう一度確認する。
薄い黄色の浴衣。
そして今日は、
いつもと少しだけ髪型も違う。
髪をハーフアップにして、鏡の前に立つ。
💛「……変じゃないよな。」
少しだけ髪を整える。
別に、誰かに見せるためじゃない。
……たぶん。
そんなことを考えていると、
スマホが鳴った。
ピコン。
🩷『もう着いた!』
💙『俺も!』
❤️『俺もおるで!』
🤍『着いた。』
💛『今向かいます。』
急いで家を出る。
みんなが集合より速く着いていた。
待ち合わせ場所に着くと、
4人が先に待っていた。
最初に目に入ったのは、
太智と舜太だった。
💙「お!仁人!」
太智は、
昨日選んだ派手な青色の浴衣を着ている。
💛「……やっぱり派手だね。」
💙「ええやろ!祭りやで!」
❤️「太智らしいわ笑」
その隣にいる舜太は、
落ち着いた赤色の浴衣を着ていた。
派手すぎない赤色で、どこか大人っぽい。
💛「舜太、その浴衣似合ってる。」
❤️「ほんま?ありがと!」
💙「俺の方が目立っとるけどな!」
❤️「それは目立ちすぎなんよ笑」
俺は思わず笑った。
そして――
その二人の後ろにいた、
勇斗先輩と柔太朗を見る。
💛「……。」
二人とも浴衣ではなく、私服だった。
勇斗先輩は、
落ち着いた色のシャツに黒っぽいパンツ。
いつもの明るい雰囲気とは少し違って、
どこか大人っぽい。
柔太朗もシンプルな服装だけど、
それがすごく似合っていた。
二人とも――
普通に、かっこいい。
💛「……。」
🩷「仁人?」
💛「……え?」
🩷「どうした?笑」
💛「いや……。」
俺は少し目を逸らした。
💛「……二人とも、かっこいいなって。」
🩷「……え。」
🤍「……。」
二人とも、一瞬固まった。
💙「お?」
❤️「おお?」
💛「……どうしました?」
🤍「……嬉しい。ありがとう仁人くん。ね?はやちゃん?笑」
🩷「う…うん。嬉しい。」
💛「……そうですか。」
なんだか恥ずかしくなって、
俺はまた視線を逸らした。
すると勇斗先輩が、俺をじっと見る。
🩷「……ていうか。」
💛「?」
🩷「仁人も、めっちゃ似合ってる。」
🤍「うん。」
💛「……ありがとうございます。」
🩷「髪も。」
💛「……これ?」
俺はハーフアップにした髪に触れる。
🩷「うん。いつもと違って、なんか新鮮。」
🤍「……可愛い。」
💛「……っ。」
思わず固まる。
🩷「……柔太朗?」
🤍「何?」
🩷「……別に。」
💙「また始まった笑」
❤️「今日も大変そうやなぁ笑」
俺はそんな二人を見て、少しだけ笑った。
今日は――
きっと、いつもとは違う一日になる。
そんな気がした。
祭りの会場に着くと、
たくさんの人で賑わっていた。
屋台からは美味しそうな匂いがして、
遠くから太鼓の音が聞こえてくる。
💙「うわぁ!何から行く!?」
❤️「まず食べ物やろ!」
💙「いや、射的や!」
太智はそう言うと、
射的の屋台へ一直線に向かった。
💛「……太智、食べ物は?」
💙「あとあと!」
太智は真剣な顔で銃を構える。
💙「……よし。」
パンッ!
景品はびくともしない。
💙「……。」
❤️「太智、下手やん笑」
💙「うるさい!今のは練習!」
すると、
隣にいた柔太朗が銃を手に取った。
🤍「……貸して。」
💙「柔太朗もやるん?」
🤍「うん。」
パンッ!
チョコレートが倒れた。
💙「……え?」
❤️「えっ、うま!」
💛「……すご。」
🩷「柔太朗、こういうの得意なんだ。」
🤍「……たまたま。」
💙「いやいやいや!もう一回!」
柔太朗はもう一度銃を構える。
柔太朗は黄色のリボンをつけた、
白色のうさぎのぬいぐるみみたいな
キーホルダーを
じっと見つめる。
そして――
パンッ!
うさぎのぬいぐるみが、見事に倒れた。
💙「なんでやねん!」
俺は思わず笑った。
💛「ふふっ……。」
🤍「……仁人くん、これ。」
柔太朗はチョコレートを食べながら
取った景品、
うさぎのぬいぐるみを俺に渡した。
💛「え?」
🤍「あげる。」
💛「……ありがとう。」
🩷「……。」
勇斗先輩が少しだけ柔太朗を見る。
💙「次、金魚すくい行こうや!」
❤️「ええな!」
俺たちは次の屋台へ向かった。
金魚すくいの水槽を覗くと、
たくさんの金魚が泳いでいる。
💛「……やってみたい。」
🩷「じゃあ俺が取ってあげる。」
💛「え?」
🩷「任せて。」
勇斗先輩は自信満々にポイを持った。
……でも。
一匹目。
すぐに破れた。
🩷「……。」
💙「あれ?」
❤️「勇斗、大丈夫やん?笑」
🩷「まだ本気出してないだけ。」
二回目。
また破れる。
💙「本気出してそれなん?笑」
🩷「太智、黙って。」
すると柔太朗が隣からポイを手に取った。
🤍「……俺、やろうか?」
🩷「……。」
柔太朗は水面をじっと見つめる。
金魚が近づいてきた瞬間――
すくっ。
🤍「……取れた。」
💛「……すご。」
🤍「はい。」
柔太朗は笑顔で金魚を俺に見せる。
💛「かわいい……。」
🩷「……俺ももう一回やる!」
💙「負けず嫌いやなぁ笑」
❤️「勇斗、頑張れー!」
俺はそんな二人を見て、また笑った。
そのとき――
ドンッ!!
突然、大きな音が夜空に響いた。
💛「……!」
💙「うわっ!」
❤️「花火!?」
空を見上げる。
けれど、花火は一発だけ。
🩷「……試し打ちかな。」
🤍「たぶん。」
💙「本番はまだってこと?」
🩷「そうみたい。」
俺は空を見上げながら、少しだけ笑った。
まだ始まっていない。
それなのに――
今日はもう、十分楽しかった。
……でも。
このあと起こることなんて、
俺はまだ知らなかった。
――夏祭りは、
まだ始まったばかりだった。
コメント
1件
お疲れさまです、第10話読ませていただきました! 夏祭り当日、浴衣姿の5人が待ち合わせしてる光景がもう鮮やかに浮かんできました。仁人くんの薄い黄色の浴衣にハーフアップ、すごく似合ってそうですよね。勇斗先輩と柔太朗くんの「かっこいい」「可愛い」のやりとりが、空気感すごく伝わってきてドキドキしました。特に柔太朗くんが射的で取ったうさぎのキーホルダーを「あげる」って差し出すところ…優しさが滲んでて、いいなって思いました。まだ始まったばかりの夏、この後の花火の時間もすごく気になります!