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妖精族代表と人間代表の勝負は人間側の勝利で幕は下り、翌日代表者を大妖精の間に集め今後のプランを話し合っていく。
「まずエメルにラルド。二人を騙したことを私から謝らせてください。ごめんなさい。」
「だ、大妖精様が謝ることじゃないよ!?だから頭を上げてよ!」
「…私に限らず里のみんなを騙してたって事実は変わらないけど、それなら先にことの全てを話してくれても良かったとは思う。」
「エメルの言う通り私も独断で走ってしまった節はある。ごめんなさいね。」
「さて、それじゃあ本題に移ろうか。先に来てたお二人は既に聞いていると思うが私達の目的は人間側の汚い考えを持つ奴隷商人の撃退だ。」
「アリサちゃんとミクナちゃんからも聞いたよ!外に出た時に怖い人に見つかって何とか倒したけどかなり疲弊したって。」
「そこに偶然俺達が来て経緯を聞いたあと奴隷商人がこの里を見つけて襲うことを危惧して昨日の大会を開いてもらったって言うことだ。」
「その大会を開いた真意は里のみんなを従えたかったということ。これは別にやましいことがある訳ではなく、ちゃんと里のことを考えた策だ。」
大会のせいで忘れがちだが俺達の目的は『妖精の里を守り、自衛の手段を与えること』にある。
まず妖精族は魔法に長けているが武器の扱いは拙いものが過半数を占める。理由は単純で魔法による攻撃がこの世界でもトップクラスだからわざわざ武器に頼らなくても良かったからだ。実際それでも問題無かった。その理由は妖精族は他種族との交流を断っていたため天敵はいなかったのだが、時の流れによりそうはいかなくなった。
というのも妖精族から派生種族が生まれその一つにエルフという種族が生まれ、彼女達は人との交流を盛んにやっており魔法技術が人にも渡ったのだ。そのおかげで魔法を封じる魔法なんかも開発されており妖精族は魔法しか使えないため、その魔法封じを使われたら為す術なくやられてしまう危険性が生まれたのだ。さらにそんな技術を得た人類の更に欲にまみれた汚いヤツらはそれを使って奴隷商売の扱う『商品』のラインナップを増やそうと考えたのだ。その標的にこの妖精の里が選ばれたということ。
あくまでこれは俺たちの予想でしかないが、もしそうなるとこの里は最悪滅んでしまう。滅びなくともより人間と妖精族の仲は悪くなる一方だ。それは里長である大妖精様も望んでいない。なのでこの事態を収めるためにパイプ役として俺達が偶然ではあるがその役を担おうという話になっているのだ。
「私達が先日の大会を開いた理由は魔法に頼る妖精族の考えを変えるためだ。これからやってくるであろう奴隷商人はほぼ必ず魔法を封じてくるだろう。そうなった時に反撃の手段がないのは困ると判断し付け焼き刃ではあるが武器の使い方をレクチャーしようと考えたのだ。」
「妖精さん達が私達人間が嫌いって分かってるからそれを逆手にとってあの大会を開いたの!」
「…反骨精神を利用し焚き付けてそして力でねじ伏せる事で従うしかないという状態を作り出したって訳か。」
「だいぶ手荒になったがそれが一番効くと思ってな。」
「実際効いてるから効果はあったな。」
「これから少しの間は武器の使い方をみなに学んでもらいたい。それを里のみなに伝える予定だ。そして出来ることなら君たち二人にも協力して欲しい。」
「二人は里の中でも魔法や武器の扱いに長けてますから適任だと私も思います。」
「分かった!それじゃあみんなに弓の使い方教える!」
「負けた以上私も反対はしない。だがひとつ聞きたいことがある。」
「何かしら?」
「その奴隷商人とやらはいつ来るんだ?」
「残念ながら不明だ。だが、ここで協力してくれるのならば里周辺に監視部隊を用意してもらい襲撃に備えたいと思っている。」
「それなら私がやるよ!」
「ラルド?」
「私森の動物達と仲良しだから情報取るのは上手だと思うの!」
「まぁ…そうね。それじゃあ私はお前らと共に道具の使い方を里のみなに教えよう。」
「……ありがとうエメルちゃん。」
「エメルちゃんって言うな。」
その後大妖精から里のみんなに通達がありみな嫌な顔をしたが大人しく従ってくれたようで武器の扱いをちゃんと学んでくれたみたいだった。
妖精族と人間の戦闘が行われる大会が始まった時妖精の里周辺の森でもまた動きがあった。
「……なるほどこの森幻覚を引き起こす魔法が掛けられてるな。しかも分かりやすく掛けてる訳ではなく本当に微量ではあるが森全体に掛かっており意識しない時が付けないレベルだ。通りでこの森の最深部を目指そうとすると途端に方向感覚が狂って入口に気がついたら戻ってるわけだ。雑魚にこの辺うろつかせて正解だったな。こうして長年見つけられなかった妖精族の里を見つけることが出来たからな。」
「…ただいまお時間よろしいですか?」
「報告か」
「足跡の件ですがあのあと少し進んだあと突然足跡が無くなり追うことが出来なくなりました。」
「…なるほど。」
「ですが足跡を確認したところ確実に外部の人間が妖精族と接触した模様です。足跡的には男一人子供一人性別不明ですが騎士が一人と言った感じですね。」
「子供入れた珍しいパーティーだな。そいつらに会うのが楽しみだ。」
「これとは別件でもう一つお話したいことが。」
「頼んでおいた奴隷商人についてだな?」
「はい。調べたところ彼は最近になり人間に限らず獣人や竜人種など取り扱う奴隷の幅を広げているようです。」
「今回の妖精族もその一環なのか。」
「なぜ近年になり幅を広げたのかは不明ですのでもう少し調べてきます。」
「いや、今はまだいい。」
「今は…ですか?」
「今これ以上調べて足がつくのは避けたい。私の方で彼ともう少し距離を詰め信頼を獲得した時にまた改めて頼む。」
「かしこまりました。では、先程の簡易報告を書類としてまとめておきますのでお時間ある時にお呼びください。その時にお渡ししますので。」
「わかった。妖精の里進行時お前達にも役割を与える。詳しくは追って連絡する。 」
「かしこまりました。では…。」
そういい暗部と思わしき人物は闇に消えた。
「…獣人はともかく竜人族まで奴隷として拾っていたとは。やつの手腕もそうだがそれを可能としてる何か、か。
まぁ確か各種族ごとに担当を変えてると話してたな。妖精族は俺で獣人はまた別の誰か。竜人族も同じ感じだろうな。担当を分けることで幅を広げてるという認識で良さそうだな。」