コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
その日は眩しいぐらいの晴天だった、夏の終わりかけだというのにまだまだ暑い日だった
カトレア『パパ~、まだ~?』
父親『待ってな~カトレア、もうすぐで着くからな』
母親『そうよ~、カトレア、ちゃんと待てるいい子はどこかな?』
カトレア『むー…』
パパは日本人で、ママはアメリカ人だった、だからパパは少し言葉遣いが他と違っててたまに聞き取れないことがあった、でもママは私とお姉ちゃんが聞き取れなかったことを容易く聞き取れてて、ママが言うにはずっと一緒に居たから分かるって言っていた
カトレア『…パパ~』
父親『ん?どうしたカトレア』
カトレア『早くしないと遊園地閉まっちゃうよ~』
父親『遊園地はまだまだ閉まらないから安心していいぞ~』
カトレア『…』ムスッ
私が機嫌を損ねたからだろう、少しだけスピードが上がった
その直後だった、物凄い衝撃が体を揺らした、頭を強く打ったのだろう、私は気を失った
気がついたら知らない天井で 横にはお姉ちゃんが心配そうに覗き込んでた
カトレア『…お姉ちゃん……?』
シキミア『?!カトレア?』
カトレア『お姉ちゃん、ここは……ゥ…』
起き上がろうとしたけど身体中が痛くて、とても起きられなかった
シキミア『あっ待って無理しないで!ナースさん呼んでくるから!』
お姉ちゃんはナースさん…を呼びに行った…この場所が病院と分かるまで少し時間が掛かった
ナース『カトレアちゃん、この指、何本に見える?』
カトレア『…3本』
ナース『…ふむ、意識は正常なようですね、医者を呼んでくるので少々お待ちください』
シキミア『はい、ありがとうございます』
カトレア『お姉ちゃん』
シキミア『どうしたの?カトレア、何か欲しいのある?』
カトレア『…パパとママは……?』
シキミア『……え…』
カトレア『パパとママは…どこ?』
幼いながらに姉の顔を見て嫌なことが思い浮かんだ、でも認めたくなかった、嘘だと言って欲しかった、ちゃんと元気だって、生きてるって聞きたかった
医者『君の親御さんはね…信号無視をしたスポーツカーにぶつかってしまって…』
死んだ、パパとママが死んだ、ぶつかってきた人は生きているらしい
なんで?
なんでパパ達が死んでソイツは生きているの?なんで?なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで……なんで?
その人のお父さんは警察の偉い人で、お金を払って謝ったらしい、でもお姉ちゃんの顔はずっと暗かった、お姉ちゃんがこの顔をする時は嫌なことを言われたときだ
私のせいだ…私のせいでパパ達がダメな人に殺された、私が殺した
私は特に体に異常が無くて少しリハビリ?をして病院を出た、その時にはお葬式はもう終わってて、パパとママにお別れが言えなかった、でも
病院でナースさん達が話しているのを聞いてしまった
ナースA『カトレアちゃんの親御さん、遺体がほとんど原型を留めていなかったんですって』
ナースB『お姉さんも可哀想よね、もう自分の親かも分からない死体を見て確認をしないといけないんだから…』
“原型を留めてなかった”…もう、誰か分からなくるぐらいグチャグチャになったということは嫌でもわかった、わかってしまった
でも悲しむ暇はなかった、その後は大変だった、お姉ちゃんはまだ若くて…仕事もやっと慣れてきたところだった、そんな中、小学生の妹の世話なんて十分に出来るわけがない、出来るはずがなかった、日に日に増えていくお姉ちゃんのくまに職場の人が心配したんだろう、提案として「妹をプレイケアに入れたらどうか」と言ったらしかった
シキミア『…カトレアはどう?プレイケアに……孤児として入りたい?』
姉の目はどこか不安そうで…前よりもくまが酷くなっていた。
カトレア『…私はいいよ、毎日じゃ無くてもお姉ちゃんと会えるんでしょ?』
私はまだ事故の怪我が完治してなくて首にまだ包帯が巻かれてた
お姉ちゃんは『ごめんね、ごめんね』って謝って抱き締めてくれた
お姉ちゃんは何も悪くないのに、悪いのは私なのになんでお姉ちゃんが謝っているんだろう
でも私だって感情のある人間だった不安はあった、馴染めなかったらどうしよう、虐められたら、怪我をバカにされたら、そんな不安を抱えて悩んでも時間は流れる、ついにプレイケアに入る時が来た
初めて見る所、初めて見る偽物の空、初めて見る子達…私のことを最初は心配して話しかけたりしてくれてたけど日に日にそれが少なくなってついには誰も話しかけなくなっていた、私はそれでいいと思っていた、私と居ても楽しくないだろうし、それにこんな傷だらけの子といたら変な噂がたつだろう、そんな時だった
ケビン『お前か?最近入ってきた根暗な奴は』
ケビンが私に興味本位で話しかけてきたのは
夢編は続くよ