わらえない
どうしてこんなにも
――――、いたむのだろうか
「お前、本当に愛想がねぇな。可愛くねぇ」
別に、可愛いなんて思われたくない。
愛想がよくなりたいなんて思ったこともなかった。
だけど。なぜだろう。
その言葉が無性に心に刺さった。
世界がどこか遠くに感じる。
合宿での1日の練習を終えても、体が重くて中々そこを離れられない。
あの言葉をかけられてからもうすぐ丸1日たつというのに俺の心に刺さったそれは粘着質の強い何かのようにへばりついてそれでいて、刃先が物凄くとがっているから痛みを忘れることが出来ない。
こんなにも何かを忘れたいなんて思ったことが無かった。
「…かわいい、か。」
部長や不二先輩たちはどう思っているのだろうか。
俺みたいな愛想のないやつより、
―――そう、例をあげるなら、遠山のような。―――
いつも笑顔を振り撒いているようなやつの方がよかったのだろうか。
「はぁ…」
――不二先輩なんて、いつも笑ってるし――
――菊丸先輩だって、よく笑ってる――
ひとり、ひとりと顔を思い浮かべているとよく笑う人の多さに気付く。
愛想のない俺のせいで、もし、気分を悪くしていたら。
―アタマがイタイ―
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