side 空架 ぐち逸
俺とラディという方で
足跡を辿ってこの洞窟に辿り着いた。
この洞窟では思わぬ光景が目に入った
血の海
すでに手遅れな人やまだ息のある人
そして、倒れて、岩の下敷きになってる
警察と国の人たち
敵にやられたのだろう、だとするとさっき通った気配は敵、?
考えてしまい、ハッと我に帰る
そんな考えてる暇はないと。
ラディさんと一緒に岩を退けて、
みなさんの治療を行う。
「…ん、、?」
意識を取り戻したのは
伊藤刑事、青井刑事、
トラゾーさん、しにがみさんの4人だった
「気が付きましたか」
「ぐち逸!なんでここに、!」
「ラディ!?なんでここに!?」
伊藤刑事と青井刑事がほぼ同時に
俺とラディさんに聞く
「私もラディさんもあなた達の足跡を辿ってこっちに来ただけです。もう少しで手遅れになるところでしたよ」
「そう。ほんと馬鹿だよ。後で高額請求全部こいつにしとくから」
ラディさんは青井刑事を指す。
「高額請求は嫌だけど…ありがとう。」
「助かりました!」
個人医では、警察からこんなふうに
ありがとうって言われることは
あまりなかったな、
と私とラディさんは少し驚いたように見る
「………てかなにが起きたんだ?俺らが洞窟に入ろうとした時誰かが通った気がしたんだけど、彼奴は?」
「通った…、君達が無事で済んでよかった。恐らくこの事件の黒幕だね、俺たちは黒幕に敗れてしまったんだよ、」
袋を被った男がそう言った。
「彼奴は物理攻撃も魔法も通じない。彼奴にダメージを与えるなら、薬やな。」
いつの間に目が覚めていたのか、黄色のイメージが強く、天使の輪っかのついた人がそういう
「薬、?一体どういう、その人はどんな人でなぜあなたはそんなことを知っているのですか、?」
私は気になった。
なにも知らない。あそこでなにが起こったのか
黒幕がどんな姿でどんな口調で
なにをしてなにが得意なのか、
なにが目的でこんなことをしたのか
なにも知らない。
なにも知らないからこそ気になった
「俺の種族には天使が入っとるからな。元々天界にいたころの話で、こんな噂を聞いたのを思い出したんや。「色んな人の気持ち等が姿に表されたこの世の何者でもない存在。」それが彼奴なんやと思う。」
「それはどういうことでしょう、?確か黒幕は、この世界を壊さず、僕たちを破滅させることが目的でしたよね、?気持ちなどに、僕らに対する恨みが入っていたのでしょうか、?」
「そうなる。ま、国同士の争いがあって、人外の俺らに殺されたとか、昔の何かがあって恨み買ったとか、そんなのが集まって彼奴が生まれた。と、思う。」
人間という種族しか知らない私は
人外が何かを理解できなかった。
人間のような姿をしていても
彼らは人外。私たちとはまた違う存在。
でも、人外だったとしても、
人間と同じように死んでしまう存在もいる。
それが今わかった。
何か能力があったり、別の世界で何かあったのも
わからないけど、
気持ちも、色んな箇所は人間と似たような仕組みだと思った。
「薬が効くんですよね。どんな薬が効くのか教えてくれません?俺とぐち逸で作れそうなものなら作ります」
ラディさんがそう言った
「…材料がなぁ、その、完全なものなら特定の人物にしか効かないけど、不完全なものやと、俺やしにがみさん、らっだぁ、どりみー、達も効くんよ…わんちゃん俺らも死ぬ。」
「なら「完全なもの」を作ればいいじゃないですか。」
「それが難しい。一体何通りあると思っとるん、?俺は材料しか知らん、」
「材料とその量がわかればあとは全て試せばいいじゃないですか。薬の調合なら簡単です。三種類の薬の完璧なレシピを見つけましたから」
「それ俺らの前で言っていいやつ?」
伊藤刑事が俺を見ながら言う
青井刑事、伊藤刑事は警察、
薬やその材料の花を所持するのは
法律違反らしい。
「いいですよ。悪いと思ってないので」
ここでのダメな薬は
別の国ではいい薬。
視界の歪みがあってもそれは一瞬
患者をたくさん救うことのできる便利な薬。
天秤にかけたら患者をたくさん救うことの方が
大事に決まってる。
「…レシピは多分ロスサントスではとれん。こっちの世界の、森にある不気味な果実とその葉っぱ、不思議な池の水の3つが材料。ぐち逸とラディはその森と材料に詳しい奴らを1人か2人と一緒に行ったほうがええ。」
「分かりました。」
「分かった。」
とりあえず、皆さんが起きるのを待ちますか…
日は沈んでいき夜になって行く。
夜の星空は曇ってて見えなくて、
何か不吉な事が起きる予感がした。