テラーノベル
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グッと左右の手を握りしめた徹さんは
「……こんな所で話すことじゃない」
と私を睨む。
「会社前で待たれたら同じことです。それに、夜遅くに家へ来られるのも恐怖でしかないので、ここで話してください」
「恐怖って、結婚しようと言っていた相手に何言ってんだ。どうしたんだよ?」
声を荒げることは避けようとしている様子だね。
「インターホンのカメラを隠して鳴らすとか、恐怖です」
「はぁ!?」
「ストーカーの手口じゃん」
はぁ?は西口さんで、その後は総務の中から男性社員の声が小さく聞こえる。
「用件をお願いします。もうここで聞くのが最後です。ご存知のように、すでに代理人弁護士をお願いしていますから」
バッ……
―― へっ……?
「これまでのこと、謝りに来た」
いきなりの土下座に驚いたけれど、頭の片隅では【人目を意識したパフォーマンス】だと思う。
「どうして今になって?立ってください」
「許してくれるのか?」
「そんな言葉は聞こえませんでしたが?」
―― 戸倉課長、はやっ
「課長のおっしゃる通り、許すとは言っていません。だって、これまでに謝罪の機会はたくさんあったのに、あの理髪店の前でのことも私が加害者で、あなたが被害者だと言っていたでしょ?」
「違う!」
「違いません。私に治療費とバイクの修理費を請求しに来たくせに」
―― ほら、謝る気がないんだ
「とにかく立ってもらえませんか?」
「俺を許してほしい」
シーンとした中で、あまり厳しいことを言いたくないのだけれど、私のケジメでもあるから頑張らなきゃいけない。
「すみません、何についての謝罪か教えてください」
どこかで電話が鳴り、三神先生が
「そうだね、それでいい」
と私の耳元で言った。
「……二股交際しながら、プロポーズしたこと……」
シーン…… シーン…… シーーーーーン
「えっ、それだけ?」
待っても、待っても、続きが聞けないのでおかしな声が出た。
「っ、樋代……頼む、許してくれ。助けてほしい……」
「お金ですか?」
自分でも冷たい声が出たと思う。でも彼が謝罪でなく、要求に来たと分かって許せないと思った。
「ほんの少しでいいんだ。ほら、樋代が奨学金返済していた一ヶ月分だけでも……」
「知らないくせにっ!」
思わず一歩前へ踏み出して、彼に声を落とした。
「私がいくら返済していたか知らなかったでしょ?借金のある女と言って、興味なかったよね?それに二股交際?そうじゃなくて、福田さんは結婚を隠していた。本当に謝る気があるなら嘘は言わないで。謝罪じゃなく、お金を借りたくて来たんでしょ?」
「分かっているなら、頼むっ。少しでも、お願いだっ!」
彼が私の脚にすがりつき、鳥肌が立った。
【第7話終】
第8話へ・・・お楽しみに!
コメント
4件
マジで最低💢触るな!縋るな!!
うぅわぁ…脚にすがったよぉ〜気持ち悪いよぉ〜ほんとに鳥肌だよぉ〜(((;°Д°;))) 樋代ちゃん〜😭ガンバレ! すでにここにいる、ううん社員全員樋代ちゃんのこと援護してくれてる! 三神先生の言葉も力になったね✧*⋆ はっきりとこのしょうもな史上最低の男に引導を渡してやろう😤
クズ of クズだね😤 謝罪じゃなく、金貸せと…⁉️ スッパリぶった斬って差し上げましょう⚔️
芙月みひろ
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まぁ
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