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✎ܚ〖 キ ア ラ 〗
嫌気が差すほど暑い、夏の日。
この日は友人二人と海に来ていた。
遊んで、ふざけて、笑って。
ただそれだけなのに、どうしようもなく楽しかった。
時間を忘れてはしゃいで、
気づいたときには、辺りはすでに薄暗くなっていた。
「そろそろ帰ろうか」
そんな話になって、それぞれ自転車にまたがる。
三人で並んで、他愛もない話をしながら、
薄闇に沈みはじめた道を走った。
しばらくして、一台の自転車がパンクした。
仕方なく、そこからは歩いて帰ることにした。
暗くなりはじめると、時間は妙に早く進む。
さっきまで見えていた景色が、あっという間に闇に溶けていった。
スマホのライトだけを頼りに、道を進む。
夜の、見慣れない道。
それだけで、言いようのない不気味さがあった。
自然と、歩く速度が少しだけ速くなる。
疲れと、拭いきれない不安のせいで、
会話は途切れ、周りは静まり返った。
――静かすぎた。
その静寂に耐えられなくなったのか、
一人が、少し震えた声で話し始めた。
「楽しかったな」
「また来たいな」
そんな、どうでもいいはずの言葉。
でも、俺たちはそれに縋るように、言葉を返した。
途切れないように。
この空気が、また静まらないように。
それでも、奥にある嫌な感覚は消えなかった。
背中をなぞるような寒気。
夏の夜の冷たさが、それをさらに強くする。
気づけば、誰も笑っていなかった。
言葉だけが、空回りしていた。
――そのせいだったのかもしれない。
後ろから近づく車に、気づかなかったのは。
気づいたときには、もう遅かった。
視界が大きく揺れて、
次の瞬間、地面に叩きつけられていた。
何が起きたのか、理解する前に、
全身から生温かいものが溢れ出す。
痛みが、遅れてやってきた。
体の奥から、噴き出すみたいに。
友人が、必死に何かを叫んでいる。
でも、その声はどんどん遠ざかっていく。
さっきまで確かに聞こえていたはずなのに、
もう、はっきりとは分からない。
体を流れていた温もりも、
いつの間にか冷たくなっていた。
指先から、感覚が消えていく。
――ああ。
そこでようやく、終わりなんだと分かった。
ゆっくりと、目を閉じた。
今回もチャッピーに誤字などを修整してもらってます
過去作も読んでくれると嬉しいです
今回はコンセプトなしでなんとなく書いただけなんで駄作ですね
なんかアイデアがあったら教えてください