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にこにこ
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にこにこ
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ファストフード店で再会してから、また数週間が過ぎた。
季節は少しずつ夏へ近づいている。
高校では期末テストも終わり、久しぶりに肩の力を抜いて帰れる放課後だった。
「やっと終わったなー!」
「今日はどっか寄って帰ろうぜ!」
友達と笑いながら駅前を歩いていると、一人の青年が道行く人にティッシュを配っていた。
「お願いしまーす!」
元気よく声を出している。
でも、その声はどこか無理をしているようにも聞こえた。
MORRIEは足を止める。
帽子を被り、汗を拭きながらティッシュを差し出すその姿。
見間違えるはずがなかった。
『……いた。』
公園で会った少年。
ファストフード店で働いていた少年。
その人だった。
愁斗はMORRIEに気付かないまま、一人ひとりに頭を下げ続けている。
MORRIEは友達に声をかけた。
『ごめん、先帰ってて。』
「え? お、おう。」
友達が去っていくのを見届けると、ゆっくり愁斗の前へ歩み寄った。
『こんにちは。』
愁斗は顔を上げる。
一瞬だけ目が合った。
その瞬間、少しだけ驚いたように目を見開く。
「……こんにちは。」
小さな声だった。
『覚えてる?』
「……え?」
『朝、公園で会ったことある。』
愁斗は少し考えたあと、小さく頷いた。
「あ……。」
『あと、この前ハンバーガー屋さんにもいたよね。』
少しだけ照れたように笑うひで。
愁斗も、ほんの少しだけ口元を緩めた。
「……見られてたんですね。」
『うん。』
『ずっと気になってて。』
その言葉に、愁斗の表情が少しだけ固くなる。
“気になる”
その言葉に慣れていないようだった。
「……俺、仕事中なんで。」
『あ、ごめん。』
『邪魔するつもりじゃなくて。』
その時だった。
風が吹き、愁斗のズボンのポケットから何かが少しだけ飛び出した。
ピンク色の星型キーホルダー。
長年使い続けたのか、角は擦り切れ、色も褪せていた。
それなのに、大切そうに付けられている。
ひでは無意識に目を奪われた。
(……なんだろう。)
(見たことある気がする。)
でも思い出せない。
記憶のどこかに引っかかるだけ。
愁斗はそれに気付き、そっとポケットへしまった。
「……じゃあ。」
頭を下げる。
また仕事へ戻ろうと歩き出した。
『あっ……。』
呼び止めようとして、やめた。
名前も聞けなかった。
連絡先も知らない。
それでも。
今までより少しだけ近づけた気がした。
愁斗の背中を見送りながら、ひでは小さく笑う。
『また会えるよな。』
その願いは、思っていたよりも早く叶うことになる。
数日後――。
高校交流プログラムの打ち合わせで訪れた学校で、MORRIEは忘れられない光景を目にすることになる。
コメント
1件
わっ、また会えたね…!😭💕 ファストフード店の次は路上でティッシュ配りしてる愁斗くん、めっちゃ気になる存在感…MORRIEさんが「ずっと気になってて」ってストレートに言っちゃうとこ、こっちまでドキドキしたよ!ピンクの星型キーホルダーが擦り切れてるのに大事そうなの、絶対なにか過去があるやつじゃん…!🥺 最後の「また会えるよな」って願いがすぐ叶いそうな展開、もう続きが気になって仕方ないよ〜!!学校交流プログラムでどうなるの!? にこにこさんの書く“すれ違いと接近”のバランスが本当にエモい…✨