夢主の設定
名前:ニーナ・シンプソン
容姿:黒髪セミロング/琥珀色の瞳
調査兵団の幹部と仲がいい。
エルヴィンに片思い中の夢主。
会話はハンジしか出てきません。
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勇気があれば
ある日の昼下がり。
リヴァイからもらった紅茶を淹れてひと休みするニーナとハンジ。
「これほんと美味しいね〜! 」
『でしょ。私が一度リァイに淹れてもらって飲んだらすごく気に入っちゃって。それを言ったら3日くらいのスパンでくれるようになったのよ。おばあちゃんみたいだよね』
飲むのが追いつかないのよ、とニーナが笑いながら目をやった先には、同じ紅茶の銘柄の袋がわんさか積まれた小さなテーブル。
「ハハッ。おじいちゃんならまだしもおばあちゃんか。リヴァイ泣いちゃうよ」
可笑しそうにケタケタ笑うハンジ。
「それで?」
『?』
「進展はあったの?」
げほっごほっ!
咳き込むニーナ。
『な、何が?』
「とぼけちゃって。リヴィとはどうなの?」
変人分隊長も恋バナは大好きのようだ。
『どうって……。大事な仲間よ。それ以上でもそれ以下でもないわ』
「あら〜……」
『それに』
少し頬を赤くしてうつむくニーナ。
『私がエルヴィンのこと好きなの、ハンジも知ってるじゃない』
「ん、まあ、そうなんだけどね」
取り付く島もなしか〜どんまいリヴァイ、と心の中でリヴァイの背中を叩くハンジ。
「告白しないの?エルヴィンに。お似合いだとは思うけどなあ」
『うーん……しない…』
「なんで?」
『なんでって……。前にちょこっと聞いちゃったことがあるの。ナイルさんの奥様のこと、エルヴィンも好きだったって』
ニーナの黒く長い睫毛が琥珀色の瞳に影を落とす。
「…でもさ!何年も前の過去の恋でしょ?エルヴィンだってさすがにもう踏ん切りつけてるよ!」
『そうかな……』
「それに、その髪留め!」
ハンジが指さしたのはニーナの、肩辺りまでの長さの髪をハーフアップにしたところに着けられた蝶のモチーフの髪飾り。
何年か前の誕生日にエルヴィンから贈られたもので、彼のことが好きなニーナは、嬉しくてお守りにいつも身に着けていたのだ。
ちなみに、その年のリヴァイからのプレゼントは珍しい紅茶と、彼が選んだのを想像すると笑ってしまうような可愛らしいティーカップ。
ハンジからは、今まで生け捕りにした巨人のスケッチを描き溜めたノートだった。
「アクセサリーを贈るなんて、どうでもいい相手にはしないし、それを毎日着けてくれる相手のこと、意識しないことはないと思うけどなあ」
『そうかな…』
「そうだよ!」
少しの沈黙の後、ニーナが口を開いた。
『やっぱり告白はできない……。エルヴィンのことは好きだけど、想いを伝えて今の関係が壊れるのは嫌』
言いながら、ニーナの琥珀色の瞳が潤んでいく。
『もし恋人になれたとして、今よりもっと大事な存在になったら、最悪な事態を迎えた時に心が壊れてしまう。怖いの…』
大きな瞳からぽたぽたと涙が零れ落ちる。
「そっか…。そうだよね。私も君たちに幸せになってほしくて言ったんだけど配慮が足りなかったね。ごめんよニーナ。ほら、もう泣かないで」
ハンジがハンカチを差し出し、ありがと、とそれを受け取り濡れた頬を拭うニーナの頭をぽんぽん、と軽く叩いた。
『告白する勇気が私にあればな。結ばれてもそうでなくても気持ちが少し楽になるかもしれないのにね』
そう言って切なげに笑うニーナは、同性のハンジから見ても綺麗だった。
まっったく……。
エルヴィンったらこんな可愛い子にこんな顔させて。頭はいいくせにこういうの鈍感なんだから。
リヴァイもニーナのことが好きなら紅茶ばっかり贈ってないで別の方法でアプローチすればいいのに。
おばあちゃん呼ばわりされてるよ。
世話好きな変人分隊長の、恋のフォローの日々はもう暫く続く。
end
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