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リーブルシティの貴族である『ブルーローズ』家。
その娘である『リリア・ブルーローズ』を盗賊から救ったリオン一行。
彼女から話を聞くため、馬車に乗せてもらっていた。
「さっきは助けてくれて、ありがとうございます」
「いえ、気にしないでください」
リオンが答える。
アリスはあまり馬車に乗ったことが無いからか、
少し緊張している様子。
一方、エリシアは平然としていた。
「みなさん、冒険者なんですね」
「そうだよ。あたしの名前はエリシア」
「俺はリオンです」
「私はアリスと言います。単なる薬売りで、冒険者では無いです」
あらためて自己紹介をする三人。
同じように、リリアとその護衛の女騎士もあらためて自己紹介をした。
女騎士の名は『シルヴィ・シュバイン』と言うらしい。
年齢は二十代前半といったところだろうか。
凛々しい顔つきをしており、とても美しい女性である。
「ところで…」
アリスはそう言って、リリアに質問する。
「どうして、あんな危険な場所に一人で来られたんですか?」
「実は、お忍びで遊びに出ていたんです。しかし、途中で盗賊に襲われてしまい…」
そう言って、悲しそうな表情を見せるリリア。
そんな彼女を気遣ってか、「災難でしたね」と声を掛けるリオン。
「はい…でも、あなた達が助けてくれたおかげで助かりました。本当に感謝しています」
「それは良かった」
リオンはそう言って微笑む。
その笑顔にドキッとするリリア。
「それで…皆さんに折り入って頼みたいことがあるのですが…」
「何でしょうか?」
「私の護衛をしていただけないでしょうか?もちろん、報酬は支払わせていただきます」
リーブルシティのブルーローズ家の屋敷まででかまわない。
その間だけ護衛をしてほしい。
リリアはそう言った。
「えぇーっ!?」
思わず声を上げるアリス。
その反応に驚くリリア。
「ど、どうしました?」
「いや、だって…貴族様から直々に!?」
「…ダメですか?」
不安げな表情になるリリア。
すると、リオンが口を開く。
「いいですよ」
あっさりと了承してしまった。
「ちょ、ちょっとリオンさん!?」
「大丈夫。何かあったら俺が守るから」
「うぅ~っ!そういう問題じゃないよぉ!もし何かあったら…」
慌てるアリスに対し、リオンは落ち着かせるように言う。
そんな二人を見て、リリアはホッとしたような表情になった。
「よかった…ありがとうございます!」
こうして、リオン達はリーブルシティに向かうことになった。
その間、雑談をしながら時間が過ぎていく。
キョウナのことも尋ねたが、さすがに知らないようだった。
もちろん、周囲の警戒は忘れない。
そうして、馬車は目的地へと到着した。
「ここが私の屋敷です」
「大きい…」
思わず呟くエリシア。
目の前にある建物は豪邸と呼ぶに相応しいものだった。
ぜひお礼がしたい、そう言うリリア。
「ささ、入ってください」
促されるまま、リオン達一行は中へ入る。
玄関に入ると、メイドが出迎えてくれた。
「お帰りなさいませ、リリア様」
「ただいま。ところで…」
「はい、分かっております」
彼女はリリアに耳打ちする。
そう言うと、メイドの女性は奥へと向かう。
しばらくすると、一人の女性がやってきた。
「初めまして、この家の主をしております『ラフィーナ・ブルーローズ』と申します」
「ご丁寧にどうも。俺はリオンと言います」
「あたしはエリシアだよ」
「私はアリスと言います」
三人が挨拶を終えると、ラフィーナは微笑む。
もうすぐ日が暮れる。
リリアを助けてくれた礼も兼ねて、今日は屋敷でゆっくりとして言って欲しい。
ラフィーナはそう言った。
「今日はゆっくりと休んでいってくださいね」
「はい、ありがとうございます」
こうしてリオン達は、無事に目的の街へたどり着いた。
礼を言うリオン。
その後、夕食の時間となった。
食事は豪華であり、とても美味しい。
「うわぁ、凄いなあ…こんな豪華な食事を食べたこと無いよ」
「私も初めて食べましたけど、おいしいですね」
エリシアが感心している一方で、アリスは感動していた。
そして、ラフィーナは三人の様子を見ながら微笑んでいる。
満足そうな様子で食事をしている三人。
その様子を見て、ラフィーナは嬉しく思うのだった。
食事を終え、一息ついた後。
リオン達はリリアの部屋に招かれた。
そこには、高級感のある家具が置かれており、ベッドの上にはぬいぐるみが置かれている。
「可愛い部屋ですね」
「ありがとうございます」
アリスが褒めると、リリアは嬉しそうな様子で答える。
そうして、会話が始まるのだった。
他愛も無い会話が続く。
やがて夜もふけてくる頃、徐々に眠気に襲われ始める。
すると、リリアは立ち上がってリオンに話しかけてきた。
「あの…もしよろしければ、一緒に寝ませんか?」
「えぇっ!?」
突然の提案に驚くリオン。
一方、エリシアとアリスは既に眠りに落ちていた。
さすがに夜更かししすぎたようだ。
床に寝転がるエリシアと、壁にもたれかけるアリス。
二人の静かな寝息。
そんな中でのリリアの言葉。
それを聞いて、リオンは戸惑っていた。
「えっと…本当にいいんですか?」
「もちろん。さ、早く行きましょう」
そう言って、リリアはリオンの手を引っ張る。
そのまま、二人は寝室へと向かった。
「さ、こちらへどうぞ」
そう言って、リリアは自分の隣をポンポンと叩く。
言われるがままに、リオンはリリアの隣に座った。
すると、リリアはリオンの腕にしがみついてくる。
「ちょ、ちょっと…」
「ダメですか?」
潤んだ瞳で見つめられると、リオンは何も言えなかった。
そんなリオンに、リリアはさらに身体を寄せて密着してくる。
柔らかな胸が当たっているせいか、リオンはドキドキしていた。
一方のリリアは頬を赤く染めながら、リオンを見上げている。
「リリアさん…」
「リリアとお呼びください」
「じゃあ、リリア…その、どうして俺なんかと一緒に寝ようと思ったんですか?」
「それは…」
リリアは少し間を置くと、話し始めた。
「リオン様は、私にとって特別な存在なのです」
「特別…ですか」
「私の事、好きになってくれますか?」
「そ、そう言われても…」
予想外の言葉を聞き、リオンは驚いてしまう。
そんな彼に、リリアはさらに身を寄せる。
困り果ててしまうリオン。
ただでさえ緊張しているというのに、この状況ではまともに思考できない。
「す、すみません!」
「あらあら」
そういってリオンは部屋を飛び出した。
それを軽く笑いながらも、少し残念がるリリアだった。
少し離れた廊下で息を整えるリオン。
すると、後ろから誰かがやってきた。
「リオンさん」
声をかけられたので振り返ると、そこにはアリスの姿があった。
背中にエリシアをおんぶしていた。
用意してもらった寝室に行く途中だったらしい。
彼女はリオンに近づくと、微笑みかける。
「大丈夫ですか?なんだか顔が赤いような?」
「いや、なんでもない」
そう答えつつ、リオンはアリスの頭を撫でる。
理由など無い、ただ咄嗟に手が彼女の頭に伸びたのだ。
いきなりの事に驚きつつも、アリスは気持ち良さそうに目を細めた。
「もう…子ども扱いしないでくださいよね」
「ごめん」
「でも、もう少しだけこうしていてほしいかな」
アリスの言葉に、リオンは微笑む。
そして、しばらく彼女の頭に手を置いたまま過ごす二人であった。