「ぅぐ”ッ__。」
僕はそんな悲鳴を上げ漸く目を開く。
そうすれば目の前には
見惚れてしまう程の美人な女性が僕の頭を膝に乗せ、こちらを覗き込んでいた。
「あら…善、君?かしらね、おはよう。」
そう教えてもいない名前を貴方は呼んだ。
何故だ、と原因を探せば答えはすぐ側にあり、
どうやら僕の診断書を勝手に覗いたそう。
あのね、と彼女は紡ぐ。
「私に協力させて欲しいの。」
「……え?」
「それってどう言う、」
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私はここまで見てしまったし、今更後戻りなどできなかった。
だから私に出来るのを考えた時には既に口が動いていて
「私に協力させて欲しいの。」
と。
この子の命はあと1年しかない、ならば私がこの1年でこの子のしたい事を全てしたいと思った。
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「だって善君はあと1年しか生きられ無いでしょう。これを見た私はもう今更知らないフリなんて出来ないのよ。」
それに、と続けると
「私が善君の人生を、良かったなって思える1年にしてあげる。」
そこまで言われると、断るに断れなかった。
「じゃ、じゃあ…宜しくお願いします、?」
そうだ、名前を聞いていなかった…と僕は思い出し名前を彼女に問う。
「あー名前、名前ねぇ…まぁめめんともり、かしらね。好きに呼んで頂戴。」
“めめんともり”_その名前に僕は聞き覚えがあった。
「めめんともりさんって…あの有名作家の、!?」
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そう、私は自分自身の名前が
ない
いや、正確に言えば覚えていない。知らない。
少し昔、仕事も何も無く退屈な日々を過ごしていた私は、不意に思いついた”めめんともり”と言う名前で作家になった。
物語の内容は至ってシンプルで、1人の不老不死が世界創造をするという物。
まぁ有り難い事にデビューとして大成功だったのだがその後あまりに小説界隈に浮上しなくなった為神出鬼没の作家、何かと呼ばれているらしい。
まぁだから彼が言っているのも恐らく作家のめめんともりなのだろう。
別に隠す事でも無いか、と私は彼の質問にええ、と頷いた。
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「えっ!!凄い!!本物、!!?」
「ええ、私こそがめめんともりよ。」
僕は作家、めめんともりさんの大ファンだった。過去にも入退院を繰り返した為、暇つぶし用に本はよく読んでいた。その中にあったのがめめんともりさんの小説だった。
でもめめんともりさんはすぐに小説の投稿を辞めてしまった。僕はめめんともりさんの小説が生き甲斐だったのに、まるで生きる希望を失った。
そんな感じで病院に行けば余命宣告を受け帰っている途中倒れた。そしてめめんともりさんが看病してくれた、ざっとそんな感じだ。
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糸冬!!
オリ要素バリバリ詰め込んでます👍🏻👍🏻
久しぶりの投稿ですね、まぁ水曜日にスマホ返してもらえるんで投稿頻度はもうちょいで戻るかもです‼️
👋🏻
コメント
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は?くっそおもろ