テラーノベル
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楽しかった。生きていた中でこんなにも感情をさらけ出したのは初めてやった。
だからなのかな?お前をここを守りたいって思ってしまったんわ。脇腹から血が流れとる。止血をしても生きれるかわからんぐらいやな。
そんな顔すんなよw。俺は元々お前らを裏切ってた身なんやからさw。だから、今、俺ができる最高の恩返しをさせてや。
青「ないこ、お前は俺と背丈も少ししか違わないし声もだいたい似てる。今、俺が言いたい事分かってるよな?」
「お前は俺の服を着て俺を真似ろ。俺はお前のフリをする。」
桃「何バカなこと言ってんの!?!止血するから黙って!!このままじゃ、まろ死ぬよ!!!」
青「ほんまお人好しやなw。ええか、ないこ…今、お前の手の中にはこの軍を滅ぼす力がある。その為に、俺を真似て俺になりすませ。敵を欺くなら味方からとかよく言うやろ?」
桃「そんなこと出来るわけないじゃん!!まろが裏切り者でも俺らの軍にいたのは変わりないじゃんか!!!!一緒に………。」
弱々しい声を出すないこのほっぺに手を当て叩いた。思いっきり叩いたろって思ってたんやけどなw。
青「ないこ、お前は一国の主や。一時の感情でお前が育ててきた軍を国を捨てるつもりか?そんな馬鹿げたことするやつやないやろ、お前は。」
「考えろ。よく見ろ。今、何をすべきや。1人の命と軍の命どっちを優先すべきや。ちゃんと決意を出せる人間やろ?ないこは。」
そうや、一時の感情で流されたらあかん。その感情、思いは大切やしそれを持っとるお前はもっと大きくなれる。
……なんて、流された俺が言っても説得力なんてないはずなのになw。
桃「…………わかった。でも、まろも絶対助けるから!!!絶対生きて!総統命令だから!!」
青「……Yes.My Führer」
……『生きて』か。本当にお人好しがすぎるで、ないこ。死にぞこなってる俺なんて見捨てるのが普通なのに。
……その優しさに俺は惹かれてしもうたんやな。
青「……ないこ、ちゃんと味方を欺けよ。」
桃「わかってる。まろをずっと見てたんだから癖なんて見抜けてるに決まってるでしょ。」
青「ん。じゃあ通信繋げるから、後は頑張れよ。」
通信を繋げ、俺は血まみれで気を失ってるフリをした。上手く繋げられとるみたいやな。味方の声が荒らげてるのに対し敵側は喜びの声をあげとる。……罠だってことにも気づかないほどにあっちは落ちぶれていたんやな。
通信が終わって数時間したら沢山の不揃いな足音が聞こえてきた。こっちの軍の総統と幹部がこぞって来たんやろうな。
M「よくやったな、木偶の坊。お前は役に立たないからすぐ殺されると思っていたのだがな。」
桃「…………あちらの軍の人達が優しく教えてくださったので何とか生きれました。」
M「つまらんな。そんなことより、こいつを殺したってことを見せしめにするから首を切れ。」
桃「…………はい。」
ゆっくりと近づくないこ。俺の首に刃を当て振りかざした瞬間、ひとつの銃声音が響いた。
M「ぎっさまぁ!!!何をするんだ!!!」
桃「何をするってお前に銃弾を撃っただけだけど?」
M「拾って育ててやった恩を忘れたのかぁ゛ぁ゛!!!!」
その言葉に俺は我慢できずに反論をした。今まで溜まりに溜まった鬱憤や。お前なんかにそんな感情もったことすらないわ。
青「……育てた?俺を出来損ないって罵りお前らの暴力の捌け口にされ毒薬の実験体にしてたやつに恩なんてあるわけないやろ。」
「ないこ達の軍に行って初めて楽しいって面白いって白黒だった世界が色付いたんや。拾ったのはただ単にいい実験体が金もかからないで手に入れたからやろ。」
桃「まろッ……。」
青「……お前らなんかにッッ!!!!恩なんてあるわけないやろッッ!!!!!恩があるならないこ達の方や!!!!その為なら俺は自分の命なんて捨てられる。」
そう言って俺しか知らないボタンを力強く押した。ないこの足元がパカって開いた。昔、逃げ出すために作ってた穴が役に立つ時が来るとは思わんかったな。
桃「はっ!?!まろ!!!!何してんの!!!!なんで!?!どうしてッ!!!」
青「ありがと、ないこ。お前らと過ごした時間は俺にとっていい経験でしかなかった。」
「ごめん、最後の命令だけ破させて。お前は生きて、俺のかわりに世界を見てきて。世界を楽しんできて。」
───大好きやったよ、ないこ
桃「まろぉぉぉおぉおぉぉぉ!!!!!」
手を伸ばしながら落ちていくないこに最後の笑みを贈る。どうせ、ここで朽ちる命なら抗わせてもらう。
青「そんなに睨まんでよ。俺らの変装に気づかなかったのはお前らの落ち度やろ。自業自得や。」
わぁわぁと喚くうるさい奴ら。お前らの声なんて聞きたない。銃を喚いとるあいつらに向ける、こっちから近づけばあいつらに撃たれる可能性があるから一瞬の隙をつかなければならへん。
なら……銃をあいつらにぶん投げてそっちに目がいってる隙に剣で1番近くにいたヤツの目を潰す。そいつをあいつらにぶん投げて一気に体勢を崩し銃弾を撃ち込む。
……なんや、あっけなかったな。こんなヤツらの言うことをいちいち聞いてたと思うと虫唾が走るな。……総統は逃げたか。逃げても無駄やと思うけど、今頃あいつらがここに来てる頃や。
頭がグラグラしてるし目もぼやけ始めてきた。
青「ぉっ、と……痛覚なんてとうの昔に消え去ったのにこの痛いってなんなんやろう?もう外に出れたかな……泣き叫んでなければええんやけど……あぁ、でも、あいつは昔っから泣き虫やったもんな……。……ぁれ?」
ないこの昔なんて知らない……は、ずなの…に?なんでどうして………。白くぼやけた視界に背が小さく痩せ細った少年が話しかけてきた。
→知ってるはずだよ
知らない、分かんない…だって!!!
→君は分かっているはずだ
やだ、いやだ…分からない
→あの子が君にとってどういう存在かを
だって!!!あいつは…敵だったは、ず……?
→本当に?
→あの子を殺したくなかったんじゃない?
違う違う!!!殺せた!!ころせたはずなのに……。
→もう良いんじゃない?昔の自分を許してあげても
→かつて、弟を裕福な暮らしをさせるために自分と離れ離れにしたことを
…………そうやった。俺はあいつを裕福な家庭の前に置いてった。安全に拾われて俺だけ汚い路地裏に戻ったんや。そこでこいつらに誘拐された。
→もう自分を許してもいいんじゃない?
許す……か。許されないことをずっとしてきたんや。例え、あいつが許したとしても俺は俺を許せない。
??「もう自分を責めなくていいんだよ。許してもいいんだよ。」
青「無理や、俺の手は血で汚れてる。あいつも軍の人間やから血で汚れていないとは言えない。だけど、俺よりは綺麗や。」
??「ううん、そんなの関係ないよ。誰しも血で汚れることなんてある。綺麗とか関係ないんだよ。」
「だから……だからね……」
背が小さく痩せ細った少年が俺を抱きしめてくれた。折れそうなほど弱々しい腕の中に収められた俺。この温かさを知っている。もしかして……この子は……
??「───生きて、”お兄ちゃん”」
青「…………ないこ。ごめんな、もう……無理やねん。体が一つも動かないんよ。どうせこれもまほろばの夢なんやから。」
??「夢なんかじゃないよ。これはお兄ちゃんがずっと望んでることだったんだから。ね、お兄ちゃん…もう自由になっていいんだよ。縛り付ける人なんてもういないんだよ。」
「自分の未来はもう自分で決めていいんだから。生きて……目を開けて。皆、待ってるよ。」
そう言い切ったないこはそのまま光の粒となって消えていった。懐かしい温かさに触れてゆっくりと目を開けた、白い天井…薬品の独特な匂い…左手の温かさ、生きてる?
モゾモゾと動いて、まだぎこちなさが残ってる右手をゆっくりとないこの頭に持っていき撫でた。身じろぎ始めたないこに向かっておはようと声をかけた。
桃「ん゛ん……だれぇ」
青「ぉ、はよ…なぁこ。」
桃「ぇ…ま、ろ……?おきたの…ほんとに、おきたの?」
青「ぉ、きた…よ?なーで、なぁてるの?」
桃「ッあ、ズッ…うわぁぁ゛あん!!起きるの遅いよぉぉお!!ばかぁ゛ぁあ゛!!!」
青「わッ!!ごめ、んね?で…も、なぃこのぉかげ…でぉきえた、んだよ?」
桃「お゛れの?ズビッ…ズズッ、ずっとまろの手を握ってただけだよ?」
青「ぉん…。昔の温かさのままやったから……。」
桃「…………ぇ、まろもしかして…………。」
青「……………また、遊んでくれる?ないくん。」
桃「……ッ。もう1回あの名前で呼んでいいの?」
青「うん…呼んで欲しいな。」
桃「もう隠さなくていいの?」
青「ずっと隠させてごめんな。我慢させて寂しい思いもさせて辛かったやろ?」
桃「ううん……辛くとも寂しくともなかったよ。でもね……でも゛ね…心に穴があいたみたいで、ひとつのピースが無くなった感じがずっと、ずっとしてたの……。」
青「……ないこ、ごめんごめんな。」
桃「まろがここに来た時心ん中で本当に喜んだんだよ。でも、まろは俺の事を覚えてすらなかった。それが本当に嫌だった。」
「でも、まろは思い出してくれた。だから、謝らないで…これからはずっと俺のそばにいて、お願い。」
青「………もう、離れへんよ。これからはずっとずっとそばにいたるよ。」
桃「……いふにぃ、おかえりなさい。」
──────ただいま、ないくん。
粉々だった心がないこたちと過ごしていくうちに一欠片ずつ修復されていった。最後のヒトピースはお前やったんやね、ないこ。
ずっと、ないこの温かさに俺は救われ続けたんやよ。ないこには秘密やけどw。
コメント
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うわあああああ第2話でこんなに泣かされると思わなかった……!!😭💔💔 まろが「ないこ」を守るために自分を犠牲にするシーン、心臓がぎゅってなったよ…。あの「大好きやったよ、ないこ」からのラストの展開、まろの正体がまさか「お兄ちゃん」だったなんて!!!伏線が美しすぎる…!!✨ 最後の「ただいま、ないくん」で完全に涙腺崩壊したよ…。ずっと探してたヒトピースがまさか自分だったって気づくまろの心情描写が尊すぎる…🥺💕 千桜さんの描く兄弟の絆、もう沼確定です!次話も絶対読みます!!📖🌸