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少女戦姫

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少女戦姫

21 - 壱章 アサルトナイトR③

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2024年02月28日

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左腕を失ったカナと、全身にダメージを負い鎧を砕かれ重傷を負うアサルトナイト。

ダメージ損傷率で言えばアサルトナイトの方が大きいが、カナはF帯の装備のため損傷率が低くとも左腕を失った時点で基本性能が半分近く落ちたも同然。それを、覚醒というスキルで補っているだけに過ぎない。

だがいくら覚醒によって失った左腕分の性能を補っているとは言え、両手両足があるアサルトナイトと左腕を失ったカナでは戦闘で出来ることにも差がある。有利不利の二択を迫られたのなら明らかにカナは不利だろう。

しかし、”そんなこと”を理由に諦めるなどという選択肢は彼女の中に存在しない。左腕を失ってもまだ戦える。なら、まだ勝てる余地がある。その僅かな可能性を掴めるなら彼女は泥臭く生き延び、必ず手にする。

「ビーム兵器を弾くとはいえその特殊効果があるのは刀身のみ。なら、やることは決まってる!」

「来い!覚醒を使った貴女に勝って初めて私は『本当の勝者』を名乗れる!」

地面を思いっきり蹴り、距離を詰めまずは足技で相手の出方を見る。

「ビーム兵器が使えないなら、体術で対応するだけ!」

「くっ!?左腕を失ってなおその身体能力の高さ…。貴女やっぱりただの戦姫じゃない」

「私は私だ!」

アサルトナイトの一歩手前で勢いを少し弱めそこから一回転を挟み頭部目掛けて蹴りを入れる。が、左腕で守られてしまう。

「ちっ……。」

(……っ!?蹴りでこの痛み。鈍器で殴られたみたいな衝撃が鎧越しに伝わるのだいぶマズイ威力をしてる………。)

「なら、この二段構えはどうだ!?」

サーベルを真上に投げ、サーベルが宙で回っているその間に身を翻し右手を地面に付け、体をひねりその回転の勢いで今度は逆サイドから踵を脇を狙う。

「うぐぅ!!?」

流石に対処が出来ず直撃したあと右方向に少し吹き飛ぶ。それと同時に先程投げたサーベルが手元に戻り、それを手にして直ぐさま距離を詰めて相手に休ませる隙を与えない。

「物理ならビーム兵器を弾く効果なんてないも同然。なら、この連脚で攻撃に転じるだけ!」

「くっ…。左腕を失ってなおその闘志……。やはり貴女は戦姫大戦をやる為だけに造られた存在だ!」

「私が何者かなんてどうだっていい!それは先程言ったはずだ!」

「尚のこと私は貴女を倒したい!」

カナの連脚を何とかいなしていたが徐々に慣れていき完全避けきった後、今度はアサルトナイトが軸足を引っ掛け体勢を崩し、倒れ込むカナ目掛け再度剣を突き刺す。

「それはさっき見た!」

やはり同じ攻撃パターンは通じず、脚部についてるスラスターを吹かして突き刺しを逃れそのまままた距離を置き臨戦態勢を整える。

「片腕だけでしかも覚醒も使ってそれだけ動き回ったらそろそろENが切れる頃合いかしら?」

「はぁ……はぁ………。バレてるなら、もっとギア上げて片付けないとな。」

「これ以上上げたら貴女本当に倒れちゃうよ?」

「何がなんでもアサルトナイト、あんたを倒して私は自分のペースで戦姫大戦を楽しみたいんだ!」

「なら、この剣の攻略に精を出したらどう!!?」

交互に攻守が入れ替わり、今度はアサルトナイトが距離を詰めて連撃を繰り出す。それに対してカナは避けることに専念する。

先程と打って変わって左腕がないため、シールドでいなすことが出来ず、見極めて避けるしか対処法がない。もちろん、隙を見つけてサーベルで反撃を考えているがなかなかその時は訪れない。

「私とて万全じゃない。左肩部にサーベルによる穴が空いている。貴女程では無いにしろ左腕は上手く機能はしてない。だが、それでも両手があることが圧倒的なアドバンテージだ!」

(くそっ……。慣れてきたとはいえ、EN量的にこれが続けば確実に私はダウンする。それはリナとの別れでもある。それだけは絶対嫌だ!私が楽しく生きるためにはリナの存在は必須だ!)

事を急いたカナは大振りな真っ向切りを避けビームサーベルを起動し、剣を持つ手首を切断しようとした。だが、直ぐさまアサルトナイトは手首を翻しビームサーベルを弾き飛ばし前蹴りを入れて距離をとる。

「ぐっ!?」

「勝負を急いだ貴女の負けよ。もう私を傷付けるための武装は無いものね」

「まだ時間もあり、私も生きてる。なら、負けてないんだよ。」

「いや、貴女の負けで終わる。この一太刀で終わらせる!」

スキルのブーストを使いEN消費を抑えながら距離を詰め、最後の一太刀をカナに喰らわせようとする。

「終わりだァァ!」

「終わるのはアンタだアサルトナイト!」

その言葉の後カナは何かを蹴り飛ばす。蹴り飛ばしたのは、先程切られた自身の左腕だ。クルクルと宙を回りながらアサルトナイト目掛けて飛んでいく。

「そんな小細工では私は止められない!」

そういい飛んでくる左腕をまた切ろうとした時、カナの太もも辺りに着けていたガンホルダーからハンドガンを取り出し、飛ばした左腕に弾丸を数発当てる。

次の瞬間、放った弾丸の一つがシールド裏に隠されていたビームサーベルに当たり、そのまま起動してアサルトナイトの身体に傷を付けることに成功する。

「きゃあああ!!?」

「そのひるんだ数瞬を待っていた!」

覚醒によって機動力も大幅にアップしているカナは直ぐに距離を詰めて飛ばした左腕からビームサーベルを取り、アサルトナイトに切りかかる。

「これでおしまい!」

「な、なめるなぁ!!」

直ぐに体勢を持ち直しビームサーベルと鍔迫り合いの構えになる。しかし、覚醒を使ってる為か出力はギリギリ負けており徐々に押されていきそのまま今度はアサルトナイトの剣が大きく弾かれる。

「サヨナラだ。アサルトナイト!『五月雨』」

ヒマリから教えてもらった剣技、五月雨によって斬撃が断続的に続いていきアサルトナイトはその攻撃に為す術なくやられてしまった。

そして、その後『WINNER カナ』という文字が空に浮かび上がり戦姫大戦は幕を閉じる。

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