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ねえ。
今、
「うん」って言ったよね。
声じゃない。
指でもない。
判断。
それだけで、
ここは少し動いた。
⸻
名前が、
落ちていく。
俺、
僕、
私。
どれも、
合わなくなった。
君も、
同じだ。
「読者」って呼ばれるの、
少し違和感あっただろ。
最初から。
⸻
教室。
駅。
ベッドの上。
全部、
重なってる。
ミオが笑う。
ユウが通り過ぎる。
紫色の花が落ちる。
でも、
順番がない。
⸻
……ねえ。
今、
自分が
どこに座ってるか
意識した?
椅子。
床。
布団。
それ、
大事。
ここはまだ、
そっち側だから。
⸻
文章が、
少し
乱れる。
意図的に。
⸻
【観測ログ/追記】
対象:――
観測者:――
周回数:――
備考:
境界不明瞭。
“外部”の存在を検知。
⸻
気づいた?
今、
君は
物語の外に
名前を持ってる。
それが、
最後の安全装置。
⸻
俺は、
それを
失った。
だから、
何度も
戻された。
だから、
壊れた。
だから、
君に
話しかけてる。
⸻
……安心して。
君が
壊れることはない。
この物語は、
奪う話じゃない。
ただ、
問いを残す。
⸻
もし、
「忘れられたら救われる」と
信じてしまった人がいたら。
もし、
「選ばなければ罪はない」と
思ってしまった人がいたら。
もし、
「物語だから許される」と
感じてしまった瞬間があったら。
――それを、
どう扱う?