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しっかし拍子抜けするくらいあいつら簡単にやってくれたよな。
予め設置したビデオカメラでは、費用をケチったのがいけなかったのか。やつらの映像は真っ暗でほぼ撮れていないが。それでも音声はゲット出来た。
翌週素知らぬ顔をして仕事をするのが大変だった。あんな平気な顔しておいて、裏であんな恥ずかしいことが出来るなんて!
鷹取有香子は不倫女です!!
なんてFAXを流したら、あのひとたち、いったいどんな顔をするのだろう? 想像するだけで笑える。
広岡課長があんな流されやすい下半身男なのはひどく残念だが、といってもあたしのなかで彼への尊敬の念が消え失せることはない。
誰だって、ちょっとくらい、間違うことなんてあるじゃない。
広岡課長は罪に無自覚なだけで根っからの悪人ではない。あたしはそう信じている。ひとを見る目はないなって思うけれど、それとこれとは別だし。
証拠をゲットしたあたしが次にすべきことは、着々と外堀で埋める、ということ。おねえちゃんにこのこと話したらびっくりするかな……ああ楽しみ……。
そしておねえちゃんは、真のあたしの企みに気づいていない。敵の敵は味方だけれど、敵ってことには変わりないのだから。
広岡課長が鷹取に夢中なうちにさっさと計画を進めよう。あとは、あの馬鹿女が宅を留守にでもしてくれれば完璧。罠に嵌まったあいつらは本性を見せることだろう。
罪を犯した連中には天誅を。
そしてそれを食らわせるときがもう間もなくと迫っていることに、こみ上げる笑いを抑え込むのに必死だった。こいつらみんな馬鹿。騙されていることに気づかない、能無し。くっく。
すべてが暴露されたらあいつらはすべてを失うだろう。あたしはそんな傷ついた連中にやさしい声をかけてやる天使となるのだ。いまに見ていろ。
鷹取有香子も広岡課長も普通に仕事をしている。こいつらが失脚するさまを思い描いては、こころのなかで嘲笑した。……あいつら、本当馬鹿だよね。
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