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ぼくはそう叫び。自分に言い聞かせて雑木林の中をジグザグに走りだす。
心臓が恐ろしくバクバクと鳴っていた。
呼吸も不規則で収集がつかない。
後ろから、羽良野先生の人間とは思えない咆哮と木々を薙ぎ倒すかのような足音が、雑木林全体に広がる。
ジクザグに木と木の間を走り抜ける。
そうじゃないと追い付かれるからだ!
痛みと息切れで体のバランスが崩れ、靴が泥や葉っぱで重くなっても、ぼくは死に物狂いで走った。
前方の小枝で頬を切り、太い蔓で転がりながらも雑木林を走り抜けようとした。
肺が四方八方から酸素を求める。
薄暗い雑木林の至る所から野鳥たちが悲鳴をだして飛び回る。
前しか見ないからぬかるみで、何度か転んだ。無数の枝がぼくの顔を傷をつけた。
羽良野先生の咆哮が接近してきた。
ぼくは急いで、木と木の間に太い蔓を伸ばして簡易な、罠をつけていった。
ぼくは素早く考えた。
このまま逃げ回っても、いずれは雑木林の奥の森に入ってしまう。
なんとか道路へ出て助けを呼んだ方が良いはずだ。