テラーノベル
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本日の予定も無事終わった。
今日は残念ながら外は最悪の天気で、俺の心も雨模様だから、タクシーを拾って家へと向かった。
家の周辺でタクシーを降り、傘をさして家へと歩いて向かうと、玄関に何やら人影が見える
は…?
「ちょ、、何してんのここで…」
「…」
そこに居たのは、ずぶ濡れで座り込む仁人だった。
こんなに雨が降ってんのに傘ささなかったのか…?
「…あぁもう、いいから家入りな。風邪ひくから」
「ん…,,」
無理矢理仁人を家に入れさせ、急いでタオルで軽く拭いた。
「仁人傘は?」
「持ってない」
「そういうことじゃないの、それは見ればわかるわ。てか、どーした?なんでいんの」
「…ただ…無性に勇斗に会いたかった…,,」
そんな理由で雨に打たれながら待ってたのか?
連絡でもすればいいのに、こいつバカなの?
「はぁ…どのくらい待ってたの?」
「1時間…くらい,,?」
「はぁ…」
「そんなにため息つかなくても…」
「つきまくりだわ。とりあえずお風呂沸かすから、入ってきな。泊まってくんでしょ?」
「うん…勇斗、髪洗って」
「いいよ、そしたらついでに俺も一緒に入る」
「ん…」
本当は頭くらい自分で洗えよ って言いたいところだが、今日ばかりは仕方がない。
なんで俺がこんなに言うこと聞くかって?
今日の仁人は世間で言う"赤ちゃん返り"みたいな…って言ってもこんなにでかく育ったやつが赤ちゃん返りするか?って思うかもしれないけど、あくまでそんな感じってこと。
こういう時は大抵、俺の家に泊まってって仁人様のご命令に素直に従う、そんで満足させて帰らせる。
あれ買え、ここに連れてけ,,みたいな面倒臭いわがままじゃなく、俺からしたら仁人のわがままはまだ可愛いもんだから、別に苦じゃない。
あ、風呂沸いた
「ほら仁人おいで。風呂入るよ」
「うん」
「はいバンザーイ。いや、ほんとにびちょびちょ…風邪ひかないといいけど」
とりあえず仁人の髪を丁寧に洗って、風呂に浸からせとく、その間に自分のことも済ませて一緒に浸かる。
「仁ちゃんどー?」
「満足…///」
「笑そう、身体は?温まった?」
「うん」
「じゃ、もう出よっか」
「うん。…拭いて」
「はいはい笑わかりましたよ、」
体を拭いて髪を乾かす
あれだけ髪染めたりしてんのに、さらさらなのずりぃなぁ…とか思いながら髪を乾かしていると、ぺしゃんこだった仁人の髪もふわふわさらさらに元通り
髪を乾かし終えたころには猫みたいに欠伸してて、それが可愛くて無意識に俺も喉あたりを撫でていた。
「よし、じゃ寝よっか」
「うん」
2人で寝るにはちょっと狭いベッドに、当たり前みたく2人で寝る。
もはや、新しく大きなベッドに買い換えようかなとか思ったり
さっきまで聞こえていた雨音も、今ではすっかり雨が止んで聞こえなくなったから、きっと明日には晴れるだろう。
最後は隣で横たわっている仁人を優しく撫でて寝かしつける、これが最後のご命令だと思うじゃん?
「勇斗…」
「なぁに?」
「好きって…愛してるって言って…,,」
ほらね、仁人のわがままは可愛いでしょ?笑
これが本当の最後のご命令なんです。
「愛してるよ、おやすみ」
そんで雨模様だった俺の心も晴れに変わるわけ。
流石に今日みたいに雨の中、外で待たれちゃうと心配だから、合鍵でも作って渡しとこうかな…
end.
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甘い恋愛でいい!